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夢を与える

夢を与える

夢を与える

作家
綿矢りさ
出版社
河出書房新社
発売日
2007-02-08
ISBN
9784309018041
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夢を与える / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

2001年『インストール』文藝賞受賞デビュー、2004年『蹴りたい背中』芥川賞。そして、2007年、『夢を与える』。ここには、あの清新で鮮烈な綿矢りさのイメージはない。うんとプロの作家に変貌したという感じだ。もし、これが彼女のデビュー作なら、若いのになかなかに上手い作家だと評されただろう。その代り、それほど注目されることもなかっと思われる。この時期は作家、綿矢りさにとっては、脱皮し、あらたに変貌を遂げていく重要な時期なのだと思う。物語は、やりきれない暗さに満ちているが、また実によくできた小説でもある。

2012/12/17

風眠

かつて「ゆうちゃん」と呼ばれた国民的アイドル。病院のベッドで、なぜ芸能界から転落していったのかを記者に告白するラストシーン。記者にすがりつく少女の痩せ細った手首。このラストシーンが物語の始まりだったら印象はガラリと変わったかもしれないな、と思った。芸能界という少し特殊な世界で、大人達に守られ過ぎたことが少女にとっては不幸だったのかもしれない。恋した彼にさんざん利用され、動画流出され、芸能界での地位を失ってもなお、世間知らずな自分に気づかず、人を信じようとする少女が痛々しい。光と影、栄光と挫折の物語。

2013/01/11

ひろちゃん

全然夢を与える内容ではなかった。主人公夕子はチャイルドモデルから芸能界へ入った。主人公夕子のイメージは「いい子」。途中から展開が狂っていったけどやっぱり純粋ないい子であることは最後まで変わることはなかったと思う。ただ、いつまでも「いい子」や「可愛らしさ」それを卒業しても、人を引き付けるような魅力を持ち続けなければならない芸能人って大変だなとは思う。確かに芸能人ではなかったら最後のような展開にはならなかったのかもしれない。この物語の延長線にどんな人生が待っているのかきになる。

2015/10/31

とら

芥川賞獲ったあと3年間の空白を経てこの作品が世に出た。あんなに話題になったわけだから、芥川賞獲ってすぐに本出せば売れるって出版社とかも考えるに決まってるけど、出さなかった。綿矢さんに何があったのか知らないけど、やっぱりどこか主人公に投影してしまうのは仕方ない。違うと言っているけどね。前に確か奥田英朗さんの「最悪」の感想で書いたけど、不幸話が好きなのかもしれない、ということ。帯でオチは分かってた。でも分かっているからこそ話にのめり込めた。そして読み終わって不幸話好みだということが完全に確定したw傑作でした。

2013/03/31

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図書館**波瀾万丈物語**その時、私の人生が崩れていく爆音が聞こえた──チャイルドモデルだった美しい少女・夕子。彼女は、母の念願通り大手事務所に入り、ついにブレイクするのだが。夕子の栄光と失墜の果てを描く初の長編(紹介文・他より)――これはキタ!読書感を例えるなら"イカの握り寿司"ワサビが他の寿司よりも気持ち多めな事を知っていたのに、食べてみたら予想以上にワサビが強烈だった…あの感じ。 ⇒続き

2013/08/11

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