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やさしいため息

やさしいため息

やさしいため息

作家
青山七恵
出版社
河出書房新社
発売日
2008-05-16
ISBN
9784309018621
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やさしいため息 / 感想・レビュー

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はる

主人公は社会人5年目の女性。人付き合いが苦手で友人もいない。そんな彼女の前に行方知れずの弟が現れて…。穏やかだが、仄かな痛みが漂う物語。明るい人たちと距離を置いたり、自分で誘っておきながら相手との会話に居心地の悪さを感じてしまう主人公。つい嘘をついてしまうところとか、リアルだし共感する。対象的に、弟と、主人公が想いを寄せる男の子は浮世離れしていて現実感がない。あんまり現実感が無さ過ぎて主人公の妄想かと思ってしまった。ラストもいま一つピンとこなかったし…。併録の短編のほうが好み。

2020/06/24

優希

等身大の女性像に胸がぎゅっとしまるようでした。ひょんなことから弟・風太が居候してきたまどかの日常が描かれていきます。風太の言動に左右され、行動が変わっていくのはやはり姉なんだなぁと思わずにはいられません。無邪気を装った風太との生活で重ねられていく1日1日は半分は嘘になるわけですが、その合間に見える光が眩しく感じます。単調な毎日に少し何かが加わるだけで鮮やかにもなるものなんですね。どちらがいいかは正解は見えないけれど、単調な日々も風太との日々も何だかんだ言って幸せなように見えました。

2014/08/31

何だかほんわかしてて、あったかい作品。4年ぶりに再会した弟とのふれあいから、主人公の色んな葛藤や心の変化が描かれています。 読みやすかったので速読できました。

あつひめ

透明人間でいたいけど誰にも気づいてもらえないのも寂しい。そんなに日常を何とかしたいと思いながらも変化されられない人間はたくさんいるような気がする。4年ぶりの弟との再会。姉の1日を弟が文字にする。他人の目が入ることで自分を再確認していこうとするゆる~い変化。土砂降りじゃなくお天気雨のようなはっきりしない生き方もいいときもあれば辛いときもあるかも。「松かさ拾い」のちょっと切ない想いの方に軍配かな。

2011/06/12

taiko

表題作と短編の2部構成。表題作…20代の女性の孤独、ふんわり優しいお話ですが、共感には至りませんでした。印象に残りにくい話だけれど、嫌いではなかったです。短編…松かさ拾い、こちらはとても好き。柔らかな情景、主人公の心のうちが漂う雰囲気が大変好みでした。ナッツと過ごした時間、内気な小さな子ってこんなだなと思いました。

2017/04/25

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