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犬はいつも足元にいて

犬はいつも足元にいて

犬はいつも足元にいて

作家
大森兄弟
出版社
河出書房新社
発売日
2009-11-07
ISBN
9784309019468
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ジャンル

犬はいつも足元にいて / 感想・レビュー

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積読亭くま吉(●´(エ)`●)

後味の悪い作品を読みたいと、リクエストして、薦めていただいた中の一冊。砂を噛むような後味の悪さと違和感は、確かにその通り。人の心の裏側ではなく、内側をただ時系列に従って並べてあります。悪意という悪意や、明確な憎悪が有るわけでも無く、なのに…いやだからこそリアルです。中学生の男子、飼ってる犬が面倒で、愛情の薄い両親が面倒で、学校という社会での自分の在り方が面倒で…面倒に倦んでいく。面倒はやがて澱のように積もって、悪意となってその口から吐かれた時、吐き出した本人をこそ追い詰めます。

2016/09/04

NAO

【戌年に犬の本】うまくいっているとは言えない中一の主人公の生活。そこに、澱のようにたまっているのが、やたら従順な犬であり、他のことには従順なのに犬がそれだけには固執する土の中で異臭を放つ「肉」であり、主人公にしつこく付きまとう同級生サダの粘着質な存在であり、離婚した両親の存在であり。最後の場面は何も語っていないが、もしかすると、その場面から、この話は永遠の無限ループに落ちていくのかもしれない。そんな気がしてしまう不気味さがある。犬とは、主人公自身だろうか。それならば、彼が掘り出す「肉」とは何なのだろう。

2018/05/02

nyanco

序盤、その文章に惹きつけられる。確かに文藝賞受賞作品だけあって巧い。少年に従順な犬の唯一の自己主張は肉の埋まる地面を掘ること。腐臭が漂ってくるような異様な光景。唯一のクラスメイトのサダ。朝の散歩の待ち伏せ、犬にかみつかれた後の彼の異常行動。サダの母親の不思議な喋り口調。少年の嘘がきっかけで包丁を持ち出して別れた父のもとへ向った母は…。もやもやしたものが胸に重くどんどんと堆積されていく。ラストは…。う~ん、文藝賞の文学の香り高い作品はやっぱり私には合わない…。兄弟での共著には、とても関心があったのですが…。

2009/12/02

ヒロくま

表紙だけ見て衝動借りしてみた。思っていたのとは全然違った展開に驚きつつ読了。粘着質な友人。最後まで正体の分からなかった肉の塊。掴みどころの無い不確かな不安を感じさせられた。色々想像しちゃうでしょ、怖っ。本当の兄弟の共同作品って珍しい。他も読んでみたいかも。

2015/09/06

野のこ

足元にいる忠実な犬。中学生のご主人の気持ちは感じられないけど、淡々と毎日散歩は欠かさない。僕に対して自然を装っているが同じクラスのサダの不可解な言動、粘着性に執念を感じた。家で待ち伏せしたりとストーカーちっく。彼の母も変。公園でよく会うゲートボールのナンバーセブンも変。彼の話からもそうだし、犬が掘った土から腐った肉が出てきたり、父の家から腐った亀が出てきたり臭い本でした。裏表紙を見たら、、サダが!!

2016/12/18

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