あかねさす――新古今恋物語
あかねさす――新古今恋物語 / 感想・レビュー
らむれ
千年の昔も今も、人は変わらず恋に悩む。それを歌に込めるって、いい文化!と再確認。加藤さんってこんなストレートな歌を詠みはるんね。真っ直ぐで、思考の延長上、まさに日常の俳句。自分だと見逃してしまう感性を呼び覚ましてくれる短編ばかり。中編だとなお好みかも◎きのふまで逢ふにしかばと思ひしをけふは命の惜しくもあるかな(藤原忠頼)/死んでもいいなんて真っ赤な嘘だった君と一緒にいきていきたい わくらばに天の川波よるながら明くる空には任せずもがな(斎宮女御)/久しぶりに触れた熱さがいとおしい今は夜明けを寂しく思う
2015/12/24
エンブレムT
新古今和歌集の短歌に、天才歌人として名高い作者が、物語と自らが詠んだ短歌を添えて仕上げた1冊です。百人一首の2次展開本『うた恋い。』の小説バージョンみたいな時代小説を思い描いていたのですが、紡がれた20の物語は、どれも現代日本を舞台にした身近な人々の日常のワンシーンを切り取ったような感じでした。感情の迸りを言葉として閉じ込めた短歌から、情景が色鮮やかに浮かんで来る様は見事です。数百年、もしくは千年以上の時を経て、現代に生きる歌人が対になる和歌を詠めるという、そのこと自体に不思議な感動を覚えました。
2012/07/10
馨
良かったです!1作品4ページぐらいずつなのでかなりいろんなシチュエーションの話が読めました♪もとになった俳句を現代版にアレンジしてますがもとのイメージを崩さず、共感できる物語ばかりでした!改めて…昔の人の句が素晴らしすぎることも実感しました。
2013/05/20
ひめありす@灯れ松明の火
おかざき真理さんの表紙が素敵。袖口がお花になっている着物なんてあったらもう……!繊細なタッチと加藤さんの儚げなお話がよく合います。新古今和歌集を基に現代でのショートショート×著者自作短歌の全20編。どれから読んでも読みやすいし、和歌好きの私には見慣れた句もあって、あっという間に読了しました。いつの世も恋をするのはままならず。孤りで悲しい想いをすることなんだなあ、と思いました。こうしたものを読むたびに、古典ベースのショートショートを書いてみたいと思うのですが、飽きっぽいので無理かなあ、と思ってしまいます。
2011/11/24
ゆにこ
新古今和歌集の歌と加藤さんの歌とショートショートがセットになっていて、それが20話分ありました。どれも切なくてよかったけど、「君と一緒に生きていきたい」が一番好きです。
2014/06/16
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