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スタッキング可能 / 感想・レビュー
ヴェネツィア
松田青子は初読。そればかりか、つい先ごろまで名前も知らなかった。初読の第一印象は「軽やか」、「クール」といったところ。対人や周縁の環境からは常に距離が置かれている。「個」は、あえて声高に主張されることはなく、そのようなことは問われないかのようにも見える。文体は、同人誌のそれのようで、良くも悪しくも素人っぽさを残す。限定された対象に発せられたメッセージだとも言えるだろう。それが、読者層をある程度固定化させているのだろうが、その殻を突き破った時、新たな地平が開けるのか、それとも平板化するのか。未知の魅力あり。
2016/10/12
めろんラブ
けれん味たっぷりにシュールな世界を魅せるに留まらず、小説として成立させるべく生真面目な誠実さが際立っている。松田青子さんは企てている、仕掛けている。オモシロを自認しつつ、それに酔わず流されず、客観性を備えた作品に仕上げようと格闘した形跡がいとおしい。本作でデビューとのこと。今後功成り名遂げるか、こちらを読む限り未知数だが、自らのオリジナリティーを全力で信じているかのようなこの処女作の輝きには、やはり全力で圧倒されるより他ないと思ってしまう。
2014/05/07
風眠
本を開いて、まずパッと思ったのは「何だか見た目がオシャレっぽい」ということ。表題作の章立てが、あるオフィスビルのエレベーター表示のイラストになっていて、2Fなう的な感覚になれるしかけが面白い。ひがみ全開の『ウォータープルーフ嘘ばっかり!』と『ウォータープルーフ嘘ばっかり!じゃない』の二篇が最高だった。アラフォー女子の不毛な抵抗が痛々しくて可愛くて、それでなんか、なんだか、おかしい。シュールだけどコントみたいで、どうでもいいような、よくないような、そんな会話に気づけば巻き込まれてる。こういうの嫌いじゃない。
2013/04/01
なゆ
うお~、なんだコレへんてこ面白い!!とあるオフィスビルで働く人々のありふれた風景なんだけど、名前はアルファベットで記号みたいだし、ひとすじ縄では読めない感じ。脳内に〝?〟やら〝!〟やらチカチカさせながら読み進むと、面白いように見えてくる法則やら関係性。オフィスのあるあるもいっぱいで楽しめる。それぞれの本音のつぶやきには、なかなか鋭いあれやこれや。話のリズムといい清々しい潔さといい、すごいなあ松田青子さん!3つの話の間の、箸休め的文章?コント?「ウォータープルーフ嘘ばっかり!」がこれまた面白すぎ★
2013/05/16
ナイスネイチャ
図書館本。なんなんだ!?今まで読んだことがないこの世界観。どんな作品?と聞かれても説明できないし、オススメもできないかな。ただ好きですはまります。働く女性目線の部分があり、現実こんな感じなのかなぁと。
2014/07/05
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