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南無ロックンロール二十一部経

南無ロックンロール二十一部経

南無ロックンロール二十一部経

作家
古川日出男
出版社
河出書房新社
発売日
2013-05-14
ISBN
9784309021874
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南無ロックンロール二十一部経 / 感想・レビュー

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鷺@みんさー

いやもうこれとんでもない本だった。本だけど、読んだけど、「読んだ」という感じじゃない。「体感した」というところか。一言でいえば「20世紀をロックで表した作品」だし、輪廻と地獄のカルマであり、恐ろしいほどの奔流が不思議と全体の流れを形作っている、曼荼羅でもある。とてもじゃないが読書とは言えない。部分部分を取り上げれば、地下鉄サリン事件だったり、カティンの森だったりするのだが、そういうことではない。確かにこれは普通の人にはお勧めできない。作者の胎内から生まれ出る経験をしたい人にだけ、ひっそりとお勧めする。

2018/04/04

さっとる◎

私この1週間何をしてきた?本を読んだという受動的で能動的でもあるその手触りは全くない。ばけものに呑み込まれたんだな。同一の出来事が反復されない歴史、繰り返し紐解かれてやすやす反復される書物。本が歴史と輪廻のはざまにあって、輪廻は仏教だし転生はロールだし、世紀末には浄土がいるし浄土は地獄の存在を前提とする。世紀末に向かうのが20世紀で、そこで発明されたロックがまさに7つの大陸をロールし地獄からの獄卒が跋扈する世紀末に念仏が鳴り響く。ロックのうねり、輪廻の螺旋、疾走する歴史。メロディのある騒音というばけもの。

2017/09/23

hanchyan@深読みしてなんぼ

古川日出男。震えるほど感動した「ベルカ、~?」以来、2冊目す。何作か積んでるんだけど、「どうせなら鈍器本を!とチョイス。「しんどいことは先に片づけてしまいなさい」ていうしな(笑)。実際手に取って読み始めてみると、たしかに厚いし重いし硬いんだけど(笑)、わりかししっかりした紙使われてて600頁未満なので、”怒涛の1000枚”て感じではないです。最も読むのにてこずった1章の2を通過すれば、わりとサクサク読み進められました。んで。愛すべきバカ純文学て感じで(笑)好み(笑)

2020/09/11

なゆ

ああ…なんかよくわからんけれども、すごい本を読んでしまった!ただただ強烈だ。ロックンロールを軸に話は世界のあらゆる大陸を巡り、そう、宗教の話にまで及ぶ。7つの書それぞれに3つの話。渦を巻くように3つの話がまじりあっていく感じに、思わず引き込まれた。荒廃した東京。繰り返す輪廻。あらゆる大陸を流転するロックンロール。アフリカ大陸をロックンロールが流れてゆく話がよかった。あと、意外なところで発見されるエルビスのジャンプスーツ。そしてプロローグとエピローグにはゾッとする。再読したら、何か掴めるのだろうか。

2014/01/07

耳クソ

小説が小説のまま物語から死に物狂いで逃げ切ろうとするその内容や手法より料簡を見習いたいけどこれって小説を読む上でいちばんダメな読み方ではないかと感じながらも読んでいたら逃げ足の駆ける地面が裂ける。破れる輪廻(ロール)。私は泣く。昇る太陽。

2021/11/04

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