人間滅亡的人生案内
人間滅亡的人生案内 / 感想・レビュー
鈴木拓
学生運動が盛んだった時代だろうか。若者たちの悩み相談的な投稿に、逆説的な皮肉も込めて応える深沢七郎の言葉。著者の意見に納得したり、あるいは自分は違うなと思ったり、そうやって読み進めているうちに、ただただ純粋に生きようと思えるようになる。
2022/01/06
ほじゅどー
★★★約50年前の1967年から1969年、20歳前後の読者が多い「話の特集」に掲載された身の上相談集。日常生活のつまらなさ、退屈といった悩みに対する人間滅亡教主(楢山節考の著書)による道徳とか常識を超えた回答。「生きるに値する何かを発見するなどとはとんでもないこと」「計画を書いて実行するなんてバカ」「集団生活が上手くゆかないことを心配する必要はない」「孤独が当たり前」「アウトサイダーでいい」「教養など捨てろ」「人間に本物などない」「みんなニセモノ」「食べる分だけ働いていればノンビリしていられる」。
2016/05/01
ゆるり
TV番組で、死にたくなった時読む本として紹介されていた。’67〜69年の人生案内(投稿者は若者多し)。なるほど回答がぶっ飛んでいる。悩むのがバカバカしくなるほどに。昔1度だけ読んだ(たぶん)北方謙三さんのお悩み相談室を思い出した。深沢さんのことは知りませんでしたが、楢山節考を書いた人らしい。日本経済は右肩上がり。言葉遣いがレトロ。悩みの内容が途中から同じ様に感じ、パラパラ読みに。ヒマだと考えすぎが多くなるよね。ぼーっと生まれてきたのだからぼーっと生きていれば良い…なるほど楽になれるかも?
2023/01/13
Yusukesanta
うーむ、おもしろい!深沢七郎の回答は、だいたい悩みというのは近代人特有のぜいたくなことでして、そもそも人間は地球にへばりついたアブラムシのごとき卑小な存在・生物・自立体。んなもんだから、まず食べるために働こう女or男つくれなにもしないことがいちばん幸せ人間なんてぜんぶニセモノだから本物になどならなくてよいのです。小説は、誰かのためでなく自分でおもしろいとおもったものを書くのです、とか。読んでてむっちゃくちゃ気が楽になってくるのはよいのことなのかわるいことなのか。そして若者は昔も今も変わらないですナー
2015/12/02
グラスホッパー
1967年から1969年の深沢七郎人生案内。全学連やゲバ棒、日活ロマンポルノの時代だった。内面の相談が多い。生活が安定してくると、生きる意味を考えるようになるのかな。
2024/05/18
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