彼方へ (KAWADEルネサンス)
彼方へ (KAWADEルネサンス) / 感想・レビュー
ぺったらぺたら子
私の為の小説。私はウルフ「灯台へ」「幕間」にチェーホフ「ワーニャ伯父さん」と同じテーマを見たが、著者も同じ発想を持ち、本書に籠めた。まず新古今の引用でテーマを示し、またウルフの手法・文体をそのまま使って「ワーニャ」論を繰り広げる。それはウルフについて何一つ言及されないままの、透明人間のようなウルフ論でもあるのだ。『おれは今チェーホフの本質をとらえた。ようやく』って「灯台へ」のラストやん!と、笑いつつ痺れつつ読んでいたら、最後は何とチェーホフの必殺技「うっちゃり」が炸裂!!あまりの事に、嬉しくて悶えました❤
2018/03/05
がっちゃん
一段落中の文で改行せずに場面が切り替わり、展開していく文体(書き方)が新鮮で面白かった。こういう表現もあるのね。内容の感想。考えるな、感じろ!
2014/07/27
JVSTINVS
この『彼方へ』は、伊藤整の『イカルス失墜』にも似て、実験性と風俗の味を共存させようという苦心によって成り立っているが、当時の空気を知らない人間には理解が困難なところも多い。しかし、この時代はまだリアリズムで小説を書いてもおもしろくできたんだなぁ、という感慨はかなりある。
2022/02/24
GO-FEET
★★★
2014/06/15
suzy
人の頭の中で、思考はひとつのことにとどまらず、集中力なくあちこちに飛んだりぐるぐると同じところで回ったりしている。自分もそう。よく文章にしたなと思う。試作品?
2020/10/30
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