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世界泥棒

世界泥棒

世界泥棒

作家
桜井晴也
出版社
河出書房新社
発売日
2013-11-11
ISBN
9784309022369
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世界泥棒 / 感想・レビュー

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いつでも母さん

不思議な?何ともなタイトルに魅せられた。「俺、世界泥棒なんだ、この世界を盗みにきただけなんだよ」こんな言葉をもう私の頭は受け付けないのだなぁ。『柊くんが夕暮れを食べて嘔吐していた。』この感性を羨ましく思いつつも、全体を通して戦い続けることへの抵抗とひらがな表記が多く読みにくいのがちょっと残念。その世界にいた人々の魂よ、安らかなれ!ドンドン若い作者が世に出ていることを感じた。出版不況なんて噓だろう。

2019/11/29

サゴウ

最初読了は絶望的だと思ったけれど、読んでいくうちに謎の中毒性が生まれ、時折登場人物に登場し、読み切ったときは忘れられない小説になった。世界泥棒に色々と盗まれないようにするためには、考えることをやめてはいけないと思いました。

2020/01/08

ちょき

子どもの心根の奥底にある残忍性を最大まで拡大して大人が詩的情緒と表現テクニックを加えてどろどろに煮込んで文学賞狙ってみたらこんな作品になっちゃいました的な作品。99%の作品をなんとか褒たい私だが、とにかく冗長。これだけ筆力あるのなら中編くらいで十分表現できただろう。読了後にある良作の余韻などなんら感じなかった。段落もなく延々と繰り返される心の葛藤。ただし他の読み友さんは絶賛しているので文学性とか表現力が認められたということか。ただ巡礼たちは巡礼者たちだしイモムシは交尾しない。王様は裸ですよと一人叫びたい。

2021/09/11

訃報

ことば、ことば、ことば、ことば、ことば! すごい小説。なにいってるかわかんないとこも多々あるけど、本当に一生懸命で、ことばってものを、他にもいろんなものを、しんから信じるために否定する、その否定に妥協がなさすぎて、ああこれは、事実じゃないけど、まったくもってリアルじゃないけど、それでも真実なんだなって思わされる、こんな小説はなかなかない。頭がおかしくなりそうなくらい濃密で、思いつくまま書かれているようだけど、最後まで読むと全体の構成もかなり計算されてることがわかったので、そのうち整理しながら読み返したい。

2013/12/30

Yui.M

再読。読みはじめたばかりで永遠に読んでいたい、と思ってしまう、たとえば金井美恵子のエクリチュールみたいに中毒性のある小説。最初にストーリーありきではなくて関係性とか愛とか、かなしみの量などといった抽象的なことがらを語るために物語を採用しているとでも言ったらよいのか。でも語られる精神世界はちゃんと物語に接続しているからすごい。ラストあたりで、これは何のメタファー?といちいちすべてを意味づけしたくなってしまうが、それはきっとしなくていいんだと思う。意味ちゃんなんて更新されるどころか、、、なんだから。

2021/04/05

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