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小川洋子の陶酔短篇箱

小川洋子の陶酔短篇箱

小川洋子の陶酔短篇箱

作家
小川洋子
出版社
河出書房新社
発売日
2014-01-14
ISBN
9784309022468
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小川洋子の陶酔短篇箱 / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

創作者でもありアンソロジーの名手といえば、立ちどころに思い浮かぶのは『黒魔術の手帳』をはじめとして『毒薬』、『秘密結社』へと続く一連の手帳シリーズの澁澤龍彦だろう。あの博覧強記には並ぶものがない上に、文学に対する傑出した慧眼の持ち主であったから。小川洋子さんもまた、創作者であると同時に優れた読み手でもあるようだ。ただ、アンソロジーということになると、「あとがき」でもご本人はご満悦のようなのだが、私にはどうも今一つピンと来ない。テーマ性に欠けることに、その最も大きな原因があるのではないかと思うのだ。

2018/06/12

ちょろんこ*勉強のため休止中

短編集ではなく短編箱なのだ。小川さんがセレクトした渋くて奇妙な作品が箱の中にきっちり詰められて、お互い作用しあって不思議な味わいを醸し出していた。何が起こっても殆ど怒ったり動揺することなく、閉じられた世界の中を突き進んでいく登場人物達が多い。巻き込まれ型というよりも、あるがままを受け入れてしまうのだ。小川さんの後書きが各話に添えられていたが、それ自体が解説というよりも独立した物語になっていた。独特の雰囲気を味わうタイプの本。読み手を選ぶ短編集だと思う。『雨の中で最初に濡れる』が好き。題名からして魅力的。

2014/03/18

紫 綺

小川さんが陶酔し、集めた魅惑の16短編。いずれも数々の賞を持つ名だたる作者ばかり。それぞれに様々な想いはあるものの、結局小川さんのエッセイが一番楽しめたのは私だけだろうか・・・。

2015/10/18

藤月はな(灯れ松明の火)

最初はクスリと笑えるものばかりなのに最後に近づくにつれて夢から覚めないのではないかと思う心許なさを覚えさせる短編が詰まったオルゴールのような作品集。「雀」は確かに可愛らしい話だし、「外科室」は何度、読んでも忍ぶ恋の凛としたエロスが素晴らしい。「五人の男」は蛇好きな私としては大変な事が書かれているのに顔がデレデレしちゃいます。しかし、最愛の亡き夫が徐々に朽ちながらも帰ってくる「流山寺」の切なさが身に沁みる。「行方」は曇天の砂浜で風に身を飛ばされそうな心許なさを味わってこちらも静かな不安を抱くしかない。

2016/08/30

chichichi

小川洋子さんが「陶酔」をテーマに選び抜いた短編を集めた不思議な一冊。はじめましての作家さんが多く、この機会が無ければ出会うことがなかったかもしれない作品を読めるのはアンソロジーのいいところ。どれもこれも小川さんぽさの漂うお話なのですが、正直嵌れず流し読みしてしまうお話もありました。が、そのお話一つ一つに小川さんが解説エッセイをつけてくれてるのでそれ読みたさに最後まで進む。川上弘美さんと武者小路実篤さんが好みでした。

2015/10/09

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