私は私、これでよし
私は私、これでよし / 感想・レビュー
犬こ
遠藤周作のエッセイ。彼の書く文章は、どれもユーモアにあふれ、癒され、安定しており、外れることが無いので、はまっております。
2016/06/17
姫
著者の遠藤周作さんは絶対に変わり者。こんな人になれたら無敵だよなぁ。羨ましい気持ちでいっぱいなりました。「私は私、これでよし」、本当にその通りです。でも、それを貫くのがいかに難しいか。権勢に寄り添えば安心、でも本当はどうなの、と思うことは世の中たくさんあります。でも勇気が出せず集団に寄りかかってしまう。そんな時、家での気分は曇天です。そうじゃなくやっぱりブレない人になりたいです。もう一つ納得の言葉が。「時には破目(羽目でなく)を外しなよ」。ホントそうだよなぁ。時に思い切り破目を外したくなる33歳です。
2014/04/14
テツ
遠藤周作のエッセイ。氏が生み出した『沈黙』や『海と毒薬』で、クリスチャン的な信仰と日本人のメンタリティとの比較や軋轢を描いた中から漂っていた重苦しさからは想像もできないくらいに、重く暗くなりがちなテーマでもライトな思考と文体とで文章を書き連ねていく。知性や教養、そこから生み出される思考の奥深さは、どんな文章からでも滲み出ていて、読んでいても心地が良い。森羅万象は全くの白紙で価値など本来存在しない。今この瞬間を良いものとするのは、他の誰でもない自分だけであるということをぼんやりと考える。
2022/09/12
hirayama46
河出書房新社から数冊出ている遠藤周作のエッセイセレクションの一冊。全収録作にちゃんと初出が掲載されているのが嬉しいですね。それを見た感覚では、やはり80年代後期から90年代の文章はやや硬い部分が強くなっているように感じられて、好ましく感じるのは70年代のいい意味でのくだらなさでした。北杜夫とのエピソードなんかは本当に他愛もなくて良い……。
2023/01/25
りょうすけ
著者の人生観がたくさん詰まったエッセイ集。その場を楽しくするのはその場にいる人自身なのだとはっきりとした言葉はなかったが、それを背後にやんわりと感じた。強くもなく、弱くもなく。ほっこりすること間違いなし。
2014/04/19
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