南島小説二題: いとうせいこうレトロスペクティブ
南島小説二題: いとうせいこうレトロスペクティブ / 感想・レビュー
kiho
日常から離れた南の島で男性作家が綴る現実と架空の物語⭐途中からどっちがどっちかわからなくなる不思議な感覚に陥りつつも、南の島という空気感を存分に味わえる一冊♪
2015/04/01
hirayama46
いとうせいこうの古い作品の復刊を行っているレトロスペクティブの一冊。「波の上の甲虫」と「からっぽ男の休暇」の二部を収録。「南島小説」ということでどちらも南国の島を舞台にしておりますが、作風はくっきりと違っていて、「波の上の甲虫」は現実感を歪めたメタフィクションで、「からっぽ男の休暇」は記憶のあやふやさをめぐるとぼけた味わいのユーモア小説になっております。両編とも深刻になりすぎないのは、時間感覚が欠如したような、南の島ののどかさによるものなのでしょう。南の島か……(行ったことがないのでうまく想像できない)。
2017/11/14
gojimoto
ある意味、現実と幻日の境がなくなる南の島(あくまでイメージ)での 非現実な小説。「からっぽ男の休暇」がシュールで好きです。
2015/04/02
yyrn
南の島に対する憧れを持つ人は多いと思う。私もその一人だ。この本はフィリピンのとある小島のうら寂しいリゾートビーチでバンガローを借りて休日を過ごそうとする若い小説家が、その単調な生活の中で夢想する物語を毎日「手紙」という形で綴ってゆく話だ。綴りながら、いつしか作家が空想した人物や場面が次々と現れて、空想と現実が混然となったまま帰国する日を迎える・・・とまあ、南国の雰囲気を楽しむには良い本だが、最後がハッキリしない。余韻を楽しめる人には良いだろうが、白黒ハッキリつけたい人は、チョッ怒るかも。
2014/08/04
pyidesu
今年初読書。良い読書だった。
2020/01/11
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