新カラマーゾフの兄弟 下(上・下2巻)
新カラマーゾフの兄弟 下(上・下2巻) / 感想・レビュー
KAZOO
この上下2巻は、かなりなボリュームの本ですが、私にははるかに元の「カラマーゾフの兄弟」よりも読みやすく思われました。やはり日本を舞台設定としており、しかも有名な事件も題材にしています。二つの物語、作家ご自身の分身のような話と、日本版カラマーゾフの話が絡み合うのですがそんなに読みにくくはありませんでした。また原作を先に読んだ方がいいという人もいますが別に私はそれにとらわれる必要はないと思います。作者の分身が下巻の途中でカラマーゾフのあらすじをしゃべっています。私はこれで十分正月を楽しめました。
2016/01/03
Vakira
下巻769ページ、875gあ~重い。やっと読了。亀山氏は解説本の方が全然面白い。本作はかなりミステリーに偏り過ぎ。ほとんどの読者はドスキーのカラマを読んでいらっしゃるだろうから親父さん殺害の犯人を知っているので、謎解きになっていないんだよね。子供たちへの読書講演のカラ兄粗筋説明とK氏大学の授業のカラ兄解釈講義の部分は面白く読めた。新カラマ結局カラマストーリーの焼き直し。新鮮ではないし、ちょっと人間ドラマ不自然感。ドスキー挑戦は認めるが何を訴えたかったのかなぁ~?黒木りょう(アレクセイ役)の生命哲学だったか
2016/02/16
けいご
人間自身によって作られたルールの下には隠しきれていない本能が見え隠れしていて、それぞれの人と人の間にそれらが相互作用をおこすことによって「人が死にやすい環境を作り上げる」事もある。ほとんどの人は口では言わないが誰しもが「あいつが死んでくれればいい」と本能では思っている事を直視せずにあえて見逃しているのだけど、それに気づいたとて容易に本能の鎖から逃れられない事も事実。その鎖を引き裂く事が出来る方法を見出せた時初めて「カラマーゾフの兄弟は完結する」そう言われた気がする1冊でした★多分w
2023/10/14
ココロココ
【猫町倶楽部・名古屋文学サロン月曜会の課題本】亀山先生のカラマーゾフの兄弟への愛情が伝わってくる。そして、本家のカラマーゾフの兄弟を読んでない人は、まずは読めと。恐怖は本能、罪の意識は理性。
2016/05/14
ケニオミ
これまで誰も挑戦しえなかった世界文学の頂点に君臨する作品の続編は、やはり執筆されるべきものではなかったようです。本書は『カラマーゾフの兄弟』の父親殺しの解明を、日本で発生した同一と言えるような殺人事件を用いて行っただけの様な作品でした。それも解明の方法は夢や一種のトランスでの経験に頼っているため、亀山先生の独りよがりの解釈であり、作者が文学者としての努力を怠った一種の逃げのように思いました。所々ドストエフスキーが憑依したのではと思われる箇所があり、楽しんだのも事実ですが・・・。期待外れということですかね。
2016/01/09
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