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小松とうさちゃん

小松とうさちゃん

小松とうさちゃん

作家
絲山秋子
出版社
河出書房新社
発売日
2016-01-19
ISBN
9784309024394
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小松とうさちゃん / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

およそ純文学らしくないタイトルだ。ふざけているのかとも思う。エンターテインメント小説に分類しようかと迷ったが、初出誌が「文藝」なので、一応は純文学に。とはいっても限りなくマージナルな位置だ。50歳を越える年齢でありながら、いくつかの大学での非常勤講師でかろうじて食いつないでいる小松。一方のうさちゃん、こと宇佐美はエリートサラリーマンでありながら、バーチャル世界との2足の草鞋。小松は徹頭徹尾リアル世界にいる。この二人の掛け合いは、たしかに面白いのだが、後に何かが残るかといえばはなはだ疑問である。絲山秋子は⇒

2018/04/03

いつでも母さん

軽い、だが良い。絲山作家こういうのもお書きになるのね~読後感がなんともホンワカして優しい。50過ぎの二人、こういうの好きだなぁ。帯のネトゲが初めは分からなかった私だが(汗)宇佐美ことうさちゃん、良い奴だなぁ。ガンバレ!盟主!「予想って、逆から読むと『うそよ』になるから」ホント、目からウロコだったわ!読みやすくて一気に読了出来た短編作品だった。

2016/03/15

なゆ

てっきり、ウサギが出てくる話だと…おっさんとウサギかぁって。違いましたね。なんか微妙に絶妙な心地よさで、すいすい読めてしまった。ネトゲがやめられないうさちゃんこと宇佐美と、なんか地味めの非常勤講師の小松、「見舞い屋」というちょっと変わった仕事をするミドリ。この3人のその後もまた読みたい。「ネクトンについて考えても意味がない」、水中をたゆたう気分で読めて、めちゃくちゃ好き。クラゲと話してみたい。私もプランクトン的かもしれない。「ちょっとは驚く。でもどうしようもないじゃないか。元に戻ったらすぐに忘れるよ。」

2016/02/09

chimako

初めて書名を見たとき『小松とうちゃん』かと思った。表紙の男がくたびれた小松とうちゃん。実は小松先生と宇佐美さんのお話だったわけ。何だか感想の書きにくい話だった。とらえどころがなく、淡々と、八重樫がイヤな感じで、ゲームの世界は何一つ理解できず、それでも一気読み。絲山さんは不思議な作家だなぁ。さして代わり映えしないと思われる、小松とうさちゃんの今後も読んでみたいような気がする。瞑想した心とミズクラゲの融合も浮遊感があって珍しい読み物だった。

2016/02/17

ぶんこ

ずっと「小松とうちゃん」と勘違いしていて、読み終わって「小松」と「うさちゃん」の2人のおじさんの話と納得。大学非常勤講師の報酬が安いのには驚きました。ずっと実家暮らしだからなのか、のんびりしたところのある小松さんもいいですし、ネットゲームに嵌まるうさちゃんもいい。こんな、おじさん2人組、なかなかいない。今迄読んだ著者作品と微妙に違うようで新鮮でした。

2016/03/27

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