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少女ABCDEFGHIJKLMN

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作家
最果タヒ
出版社
河出書房新社
発売日
2016-07-06
ISBN
9784309024844
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少女ABCDEFGHIJKLMN / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

詩人の最果タヒによる、不揃いな長さの小説が4篇。これらを共感的に読める層はさすがに限定されるだろう。もちろん、私はその限定の埒外。4篇に共通するのは(「宇宙以前」は幾分か位相は違うが)私立女子高に特有の紐帯と、そこで共有されている感性である。また、それにも関わるが、死との距離が近いことも挙げられるだろう。もっとも、一般的には女子高においても「愛」は信じられ、時には信奉さえされているが、ここではそれは不在である。一方、ナルシズムは強固なまでに健在なようにも見え、また限りなく不確かなようにも見える。

2022/05/09

しんごろ

【サイン本】独特の世界観で、詩的要素、あるいは詩的表現の強い独特な話ばかりの短編集!この世界観はもう独特としかいいようがないですね(^^;)ちょっと自分には正直、わかりづらかったです(>_<)ひとつ言えるのはタイトルが長い!馴染む馴染まない、面白い面白くないはあなたしだいです!というような感想になっちゃいました(^^;)

2016/08/12

いたろう

著者初読み。4編の短編。人を殺すと殺した人間を身ごもるという都市伝説を核とする「わたしたちは永遠の裸」、愛が薬品で作られる世界で、自然発生の愛の幻影を見る「きみ、孤独は孤独は孤独」。そんな設定に、いくつかの村田沙耶香の小説を思い浮かべるが、ここにあるのは、世界観がきっちりと構築されたアナザーワールドなどではなく、少女たちの感覚で繋げられた観念世界。ストーリーを語るというより、詩人らしい感性で紡がれた夢幻のイメージ。個人的には、いしいしんじの小説を思わせる大人のメルヘン、「宇宙以前」が一番好き。

2016/11/22

さっとる◎

愛なんて言い始めるからそれがあるとかないとか信じるとか信じられないとかわかってよいやわからんよとか本物かまがい物かなんて事態になって、無償だ無償だ不幸で幸せだって言い聞かせる。少女は少女である時から愛なんて考えてて大変。地球は球であると同時にお盆みたいに平らでもあり得るし、空には果てがないって言えるのと同じくらいにお椀みたいに覆ってて終わりがあるんだって信じてる。そんな詩の世界に生きても愛に詩を求めないくらいには私は少女を通りすぎてしまった。あなたを生みたくなんてないし愛してるから死ぬなんてとんでもない。

2018/03/23

愛ってなんだろう。かつては、恋人という人がわたしにもいましたが、愛しているという感覚はもう忘れました。確か、いろいろな感情にかられたような気はします。ひとりでいては、覚えることもないような感情です。あの日々は錯覚だったのかな。最果さんの紡ぐ言葉に、かつてを少し思ったりしました。楽になりたい、わたしもそう思います。

2017/09/30

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