メビウス1974
メビウス1974 / 感想・レビュー
starbro
堂場瞬一は、新作中心に読んでいる作家です。【河出書房新社創業130周年記念作品】のせいか、エンタメというよりは、どんよりとした喪失の物語でした。還暦なのでメビウスなのかなぁ。個人的には、1974年の長嶋の引退試合は覚えていますが、年代からすると王世代なので、1974年という年に思い入れはありません。著者もどちらかというと私に近い年ですが、長嶋や学生運動に対する憧憬の念があるのでしょうか?
2016/11/21
いつでも母さん
40年は長いよ・・特に女の40年は。一番輝く年月の40年だもの。そして変化の40年なんだよなぁ。これは熱に、時代と云う熱に踊った強者どもの夢の跡とでも言おうか!その代償をこんな形で失うなんてね、だから男は甘いし、弱いし・・って、今の私はちょっと辛辣?私はこの男・下山が嫌いだ!堂場さんが描く男の主人公の中でもワースト3に挙げられるかも(て、そんなダメ男、覚えてないが)でも、まぁ、美保のような女も好きじゃない。それよりも「書いてみたいという希望だけじゃ・・何千冊本を読んでも書けない」ってさ!(笑)
2016/11/18
ユザキ部長
変わり行く渋谷駅。過去は忌むべき。遠ざけるべきだった。しかし今は過去に向き合い、抱きしめたい。過去を新しい形に昇華したいと思う。しかし過去は急激に自分を追いかけてきた。なんだリセットなんて出来やしない。贖罪も何も出来ない。もう離れる選択しかないのなら違う世界で生きて欲しい。
2019/03/21
ゆみねこ
主人公・下山英二と私は同年齢。あの時代を生きた人間ではあるけれど、当時18歳の大学1年生がここまで過激派に肩入れしていたのか、少し疑問が残る。しらけ世代も還暦を過ぎたけれど、この作品には共感も感動もなし。久美子の潔さが小気味良く思えるのは、私が女だからかな?
2016/12/06
Satomi
長嶋茂雄の引退ゲームと三井物産爆破事件が起きた1974年のその日。その時代背景や政治的な話が楽しめるかと思ったけれど、タイトルに合致するほど1974年に意味はない。もう少し1974年という年を掘りさげて欲しかったのですが…。ラストまでなんとか読み切ったもののいまいちピンとこない。主人公と同世代で学生運動を経験した方は楽しめるかもしれません。いくつになっても男ってのはいくつになっても過去の女を引きずるもんなんですね。
2017/02/15
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