銀河の通信所
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銀河の通信所 / 感想・レビュー
ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中
拝啓宮沢賢治さま。貴方のことが好きというこの気持ちをどんな風にことばにのせても、貴方の透きとおったことばたちが美しすぎて申し訳ないような気すらするのです。夜の森を駆けるオレンジの電球、火事のように明るい天の星たち。まよなかの澄んだ気配、雨上がりの虹。水晶などたくさんの鉱物たち。美しくてあまいようなものたちがめくるめいて、もう胸がいっぱいなのです。「こんなやみよののはらのなかをゆくときは/電車のまどはみんな水族館の窓になる」
2020/12/05
優希
宮沢賢治と共にめぐる文学の世界がまさに銀河のような世界でした。独特の空気が全編を貫き、イーハトーブの風を運んでくれます。この本が、すべての文学という銀河への通信所として存在しているのかもしれませんね。
2017/08/15
へくとぱすかる
最初はとっつきにくい感じもあったが、賢治作品の愛読者や、伝記をよく知っている人には、またとない読物であることに気がついた。長野さん自身のものと思われる新説も書かれていて、驚いた。まさか、あの「アリイルスチュアール」の正体にかかわる論考にお目にかかれるとは! 内田百間「阿房列車」の、わたし的に最も気になっていた横黒線との関係にも、声を上げそうになった。
2017/11/16
榊原 香織
宮沢賢治、架空インタビュー集 賢治本人、童話の登場人物、同時代の文学者、北原白秋らに。 電柱や碍子の説明があって、電柱愛の書を最近読んだばかりなので、ブルータスお前もか?(裏切られたわけじゃないが)
2022/08/09
mocha
彼岸の宮澤賢治と交信する銀河の通信所。私達は速記者の記事によって賢治さんの声を受取ることが可能になった。賢治作品の登場人物や親交のあった人々が、賢治さんの人となり、作品に込められた思いを語る。新聞連載コラム風に仕立てられた幻想小説であり、宮澤賢治論。特に賢治さんの造語の解読は、思わぬ背景が見えてきて興味深かった。電気、電波、火薬、鉄道…当時の最先端技術についての細かな記述はあまり頭に入らなかったが、新たな目で賢治作品を読み直したくなった。後記で明かされた速記者の素性にまたにんまり。
2023/06/21
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