俵万智訳 みだれ髪
俵万智訳 みだれ髪 / 感想・レビュー
真香@ゆるゆるペース
本書は、約20年前に刊行された俵万智さんの「チョコレート語訳 みだれ髪」の改題・新装版になる。与謝野晶子生誕140年記念ということで、装丁もオシャンティーな感じに。中身は、見開きで5首ずつ、右に原文、左に現代語訳された歌が載っていて、一度で二度楽しめるようになっている。今よりも閉鎖的で女性は慎ましいのが善しとされていた時代、こんなにもストレートに大胆に自らの想いを表現した晶子は、とても魅力的な人だったんだろうなと思う。31文字から熱量の高さがすごく伝わってきて、現代人の恋愛よりはるかに重みを感じる。
2020/06/13
KEI
短歌を詠み始めた超初心者だが、与謝野晶子の「みだれ髪」は有名なのでKindleで読もうとしたが、意味がわからない。それで本書の力や借りて理解しようとした。俵万智さんも同様で、読んだ時には半分しか理解できなかったとの事で、ホッとした。この本の狙いは「意味を理解してもらうための訳」ではなく「昌子の短歌の匂いを感じてもらう訳」との事。昌子の短歌と万智さんの短歌を二つ同時に味わえ得した気分になった。昌子は恋に生きた人だったとこの本を読んでつくづく感じた。
2021/08/15
ロア
晶子情熱的!(*´Д`*)
2020/03/25
Maki
妻子ある鉄幹への晶子の恋情は健やかで真っ直ぐでブレない。恋敵でもある登美子にも正々堂々と挑んでいる感じがいい。こんな女性はいつの時代でも女の憧れなのではないかな。少なくともわたしには。俵万智さんの言葉は晶子よりはすこし諦念。わたしによく馴染む。「それぞれの時間を過ごすバスタイムあなたは私の歌を詠まない」「名を問わず歌を交わしたあの夜をよくある一夜と思わないでね」「恋愛の花がはらはら散ってゆく分別くさい男の前に」
2019/05/12
モリータ
◆旧版単行本『チョコレート語訳 みだれ髪』1998年刊、文庫2002年刊、新装版単行本(本書))2018年刊(すべて河出書房。◆与謝野晶子『みだれ髪』396首をすべて現代口語の短歌に翻訳。教材として16首を抜粋して読ませる。◆あとがき(旧版単行本より)も教育的内容でよい。◆「二十歳とはロングヘアーをなびかせて畏れを知らぬ春のヴィーナス」(その子二十…)、「もえる肌を抱くこともなく人生を語り続けて寂しくないの」(やわ肌の…)、「狂おしく燃える思いを羽として500キロ一気に飛びます、君へ」(狂ひの子…)など。
2022/11/17
感想・レビューをもっと見る