箱の中の天皇
箱の中の天皇 / 感想・レビュー
鉄之助
読メに参加して500冊目、記念すべき1冊がこの本でホントに良かった。天皇代替わりの「今」だからこそ、書けた! いや、今こそ書かなければならない本だった、と思う。主人公は、天皇=天皇制とマッカーサーとマリ。「二つの箱をめぐるアメリカと(日本女性)マリの戦いが、いま始まる。」との、表紙裏の紹介文に惹かれて読み始めたら、とんでもなく面白い物語だった。著者と私の周波数がピッタリ一致。今年を代表する1冊、になる予感十分。一人でも多くの人に、語りまくりたいと、ドーパミン出まくりの本だった。 →続く
2019/05/18
starbro
3月の第一作は、赤坂 真理の最新作天皇小説です。平成30年間の総決算で著者は書いたのでしょうか?そうは言いながら、戦後70年以上経過しても、太平洋戦争の亡霊が未だに跋扈しています。 横浜メリーが登場するとは思いませんでした。 https://matome.naver.jp/odai/2147715285862848501
2019/03/01
ケンイチミズバ
アバターもポカホンタスもハリウッド版の蝶々夫人かと思った。植民地で有力者の娘と恋に落ち、侵略はいけないと少しのエクスキューズを見せている。大統領でもない一軍人と陛下が並んだ写真を見た日本人は大きなため息をついたのだろうか。アメリカがもたらしたものは半分くらい良いものもあった。この後、陛下は神から人間になられる。震災も原発事故の時も私たちと共にいてくださった象徴としての天皇に。水俣で陛下を見たという道子さんはおそらく石牟礼さんの化身だろう。為政者により神として利用された魂のない箱、人形から人間になられた。
2019/04/01
さつき
表題作と「大津波のあと」の二篇。大平洋戦争と東日本大地震。二つのカタストロフの後には、今を生きるために押し殺してきた思いがどれだけ沢山あるんでしょう。戦争の悲惨さを一身に浴びた世代(私にとっては祖父母)の苦労を思うと批判的なことは口にしにくい。でも、戦後あいまいにしてきた部分が、そのまま令和の時代にも持ち越されていることを、否が応でも意識させられました。『東京プリズン』も読んでみたいです。
2019/09/02
ミライ
今上天皇である明仁親王の退位が近づいた、ベストな出版タイミング、どうせなら年号が変わるまでに読んでおきたかったので一読。日本人にとっての「天皇」を問う作品、前半タイムスリップしたりマッカーサーの霊が出てきたりと混乱してしまった(ヨコハマメリーさんも出てきて驚き)が、何度か読み返してようやく理解。マッカーサーの霊と天皇制の議論(象徴絡み)をしたりとかなりユニークな部分もありつつ、「天皇制」について深く考えさせられる内容だった。
2019/03/03
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