類型的なものは好きじゃないんですよ
類型的なものは好きじゃないんですよ / 感想・レビュー
あじ
「年をとったと感じた日はいつでしたか?─今日できる事を明日に延ばした時(74歳)」と答えた高峰さん。己を厳しく律したまま鬼籍に入られた名エッセイストの、単行本未収録原稿を束ねた最新刊。モンペにおさげの高峰さんが骨董屋で巡りあった“音色”に戦中の青い空を見た。『ダンナの骨壷』にしろ『あぁ、くたびれた』にしろ、河出書房新社から出版している高峰さんのエッセイは、タイトルも装丁もバツグンである。勿論、内容は言わずもがな。『コーちゃんと真夜中のブランデー』は押し花にして胸中に蔵書している。
2019/04/29
バーベナ
「典子は、今」の撮影のときに付き人として活躍されていた話が印象的。自分で考えて、律して、きちんと生きた人。いくつかエッセイを読んでも全く飽きない。
2020/07/04
niki
高峰秀子8冊目。表紙のふたりがかわいらしくて嬉しい。夫婦で手をつないで、ふざけた顔してジャンプする。こんな幸せがあるのか。 高峰秀子が五十歳くらいから、今で言う断捨離を始めたのは知っていたけれど、「老後は田舎でのんびりしないんですか?」という質問に「それこそ大変ですよ」ときっぱり返すのはさすが。憧れだけで田舎には住めない、畑仕事も買い物も大変とのこと。彼女はいつでも地に足が着いている。浮かれていないところが大好き。尊厳死協会に入っていたとのこと。これも頷ける。彼女の考えは若い頃からずーっとぶれていない。
2024/08/05
yoyogi kazuo
斎藤明美があとがきで書いている通り、この人は若いころからまったく言うことが変わらない。インタビューもエッセイも清々しい。
2021/12/25
あきこ
この題名そのものが彼女の生き方を凝縮しているように感じる。このエッセイ集にはずいぶん昔に書かれたものも多く、同じことを今語ったらどうだろうか。共働きが主流になった現代の女性像をどう感じるのだろうかと興味が沸く。そして昔のものも近年のものも他で読んだものも彼女の考え方や生き方にブレはない。普通、年齢と共に価値観や好みは変わっていくものだが、彼女にはない。それは素晴らしいと思うとともに、彼女が若いころに味わった大人の世界での苦労と悲しみが培ったものだと思うと胸に響く。
2019/06/12
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