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リボンの男

リボンの男

リボンの男

作家
山崎ナオコーラ
出版社
河出書房新社
発売日
2019-12-11
ISBN
9784309028521
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リボンの男 / 感想・レビュー

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sayuri

結婚相談所で出逢い結ばれた大野みどりと小野常雄(愛称・妹子)の物語。みどりは年収650万、書店で店長として働きながら書評やエッセイを書いている。妹子はアルバイト暮らしで年収180万。息子のタロウが生まれた事で妹子は専業主夫になり新しい“シュフ”の未来を考えだす。本作も小説と言うよりナオコーラさんの考えを読んでいるような感覚になる。毎作品ごとに登場する「ブス」の単語こそなかったものの、お金の話に終始する内容はウンザリさせられた。内容紹介に『各紙誌絶賛の感動作! 』とあり期待していたけれど物足りない読後感。

2019/12/24

なゆ

「お父さんもねぇ、ヒモじゃないんだよ。ヒモじゃなくてリボン」思わぬとこで言っちゃったね、タロウくん。結婚し、タロウが生まれ、収入の多いみどりが働き、夫の常雄(妹子)が主夫をする。主夫だと“ヒモ”のイメージだというのが、今や私にとっては違和感だし、あえて言わなくてもいいじゃないとも思う。外で仕事してないと、経済活動してない気になるのだろうか。その懊悩に対してのみどりの言葉がナオコーラさんの言いたい事なんだろう。タロウとの幼稚園への行き帰りの時間が楽しげだった。

2020/01/16

ででんでん

妹子は、全くヒモではないと思うけど、自分を否定した格好にしないと気持ちの収まりがつかず、「『どうも世間から責められている』という被害妄想が涌いてくる」のはわかる。家で小さい子どもを育てている自分の世界がみんなに比べてかなり小さい、細かく細かくなっていくというのは、男性に限らず誰しも思うことがあるのでは。ただ、時給マイナスという発想はピンと来ない。そして「育児を仕事って思いたいんでしょ?…」から続くみどりの言葉が釈然としないな、私には。以前読んだ作品でも感じたが、理屈が先に立っているようで、少しくたびれる。

2020/06/10

chimako

ナオコーラさんの描くのはちょっと主要路線から外れて良く言えば考え深く、悪く言えば面倒くさい人が多い。今の自分に納得しているはずなのに「自分に生産性はあるのか」「世の中の役に立っているのか」などと考えて堂々巡ってしまう。けれどそんな人たちが愛おしく全然嫌な感じがしない。主人公は妹子。幼稚園児を育てる主夫である。妻のみどりは一家の大黒橋として書店で働き、時々書評やエッセイを書いている。タローの送り迎えをしながら野川のほとりで植物や虫に詳しくなる。外来種撲滅を唱える老人に会う。羽黒トンボを見つける。良かった。

2021/12/06

優希

とても可愛らしい物語でした。妹子とタロウとみどりの3人の空気があたたかい。何気ない日常のなかにほっこりさせられました。妹子はひもからリボンへと変われたのでしょうか。

2020/07/23

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