パルプ・ノンフィクション: 出版社つぶれるかもしれない日記
パルプ・ノンフィクション: 出版社つぶれるかもしれない日記 / 感想・レビュー
鱒子
図書館本 面白そうな本をいつも出しているミシマ社。著者はその代表です。ライター、編集者、経営者として語られる、混沌としたエッセイ。前半は軽妙な文章で声を出して笑いました。出版業界と組織運営の厳しさに打ちのめされますが、本書の最後には希望を感じます。ところで、なんでこの本は自社で出さなかったんだろう?これだけ内面を吐露している本なので、そこは言及して欲しかったです。
2020/07/09
けんとまん1007
こんな三島さんだからこそ、ミシマ社と、その本があるのだと納得。改めて、紙媒体としての本・雑誌を考える時間になった。自分は、紙媒体派なので、五感を通して本を読むことに価値を見出している。と・いいつつ、本は図書館なので、ちょっと気が引けるかも。
2022/10/28
中玉ケビン砂糖
記憶の限りでは、書籍はその本体に価格が表記されている(恐らく)唯一の商品だ。(別枠でクーポンを適用するなどの自助努力がなされなければ)店頭で勝手に値引きして叩き売ったりすることはできない。一部買い切りの版元を除けば原則、卸(日・トー)に注文し、売れ残れば支払い料金が発生する月を跨ぐ前に返本処理しなければ書店の損失となる。中小出版社内幕事情モノとしても読めるが、著者は「不平等条約」とでも言うしかない出版社>書店のパワーバランスの歪さに言及し、そもそもを変えなければ遠くない日に「ツケ」は返ってくる
2022/03/13
Y2K☮
青山ブックセンターのオンラインストアで購入。この人マグマ星人だ(双子怪獣は従えていない)。誠実な迷走感が満載の一途で熱い一冊。新刊&返品多過ぎ問題と忙しい割に儲からぬ問題は切実。売り逃すよりはと多めに入れてドバっと返す書店にも責任はある。レジや電話対応や荷受け検品もあるから選書の時間は実際無い。担当者は棚に置く本をもっと読む方がいい。せめてレビューを見て中身を確認する。売れ筋を切らさぬように機械的に注文して薄利多売ってだけでは疲弊する。仕事のあり方を見直すことは人生のあり方を見直すこと。ミシマ社好きです。
2020/04/29
阿部義彦
この本の版元は河出書房新社です。お間違えの無いように。さて、話題の小出版社を立ち上げた、ミシマ社の三島邦弘さんの悪戦苦闘記!面白すぎます!特に新雑誌「ちゃぶ台」を巡る、偶然が導く必然の旅にはあれよあれよと興味がつきませんでした。そうか!紙の神様がいらっしゃるのか?!いきあたりばったりの展開が次に何が来るのかが全然読めずにしかし、いやはやなんとも、こう来ますかの連続!これからもミシマ社を応援したくなった次第です。さようなら前近代よ。紙の本好きな方は是非読んでみてください。頑張れ、ミシマ社!
2020/04/11
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