「女」のはなし
「女」のはなし / 感想・レビュー
しゃが
好みだった。短篇を読んでいるような感覚になった。演出家、小説家であったあの久世光彦さんが幼い頃から壮年の時代に関わった「女」たちの記憶をたどるエッセイ集。場所や環境、そして何より性別は異なるが、同時代を生きた感があった。まさに昭和という時代の緩くもあり、刹那さがあり、自堕落な物語があった。向田さんは家族に、久世さんは男女への眼差しに同じ匂いを感じる。凛として繊細でありながら、内なる思いには人の複雑さを合い持っていた。印象に残ったのは「露地の女。」「煮凝」「病気の時間」。久世さんの文学などへの博識も愉し。
2021/05/21
Toshiyuki Marumo
先日、本屋でこちらをじっと見つめる女と眼があった。 久世光彦のエッセイ集『「女」のはなし』の帯の上村一夫の装画だった。 よく見るとどこか虚ろな表情の女の右目からは血の涙が流れその瞳は赤い薔薇になっている。 この少し怖くて美しい装画は久世光彦の描く世界そのもののようだと私は思った。
2021/04/30
エリザベス
今まで自分かかかわった女の自慢話、にならないところが久世さんの久世さんたるところ。「女の死体」は、そういうことがあの頃にはたくさんあっただろうと思う。さして想像力を持たない私だけれど、久世さんの文章を読むと、一つ一つの情景が目に浮かぶ。
2021/11/07
海戸 波斗
さすが、希代のテレビマン。読ませるわ。樹木希林との確執、不倫してた人の印象だけど…かんけーねーってやつね。これを、娯楽というんだな。ありがとう小説読めちゃった。
2021/05/10
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