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水俣 天地への祈り

水俣 天地への祈り

水俣 天地への祈り

作家
田口ランディ
出版社
河出書房新社
発売日
2021-09-25
ISBN
9784309029924
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水俣 天地への祈り / 感想・レビュー

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chantal(シャンタール)

水俣病公式確認から65年が経ち「何故今更?」と私も思ったが読んで本当に良かった。昔の話、で終わらせてはいけないものがここにはあった。なぜ水俣病が発生してしまったのか?私たちが今享受している様々な利便性を持ったものがその原因の一翼を担っている。私たちの生活は多くの苦しみの上に成り立っている。だから何が出来る訳ではないけれど、それを知っているか否かは大きな違いだと思う。水俣の写真を撮ったユージン・スミスの章は圧巻だった。患者であり語部である杉本栄子さん、緒方正人さんの強い信念。多くの人に読んでほしい作品。

2022/01/07

アキ

水俣病という事象の思想的深化は、これから始まるのだ。著者はバブルの時代に劇団員になり、演出家の兵藤恵介が選んだ本が石牟礼道子「苦海浄土」だった。しかし彼は若くして死んだ。この本は著者が出会った、杉本栄子、緒方正人、ユージン・スミスの3人を軸に、現代の資本社会と自然、シャーマニズムに至るまで、私たちが学ぶべき教訓と思想を示唆する。緒方正人「チッソは私であった: 水俣病の思想」をまず読んでみたい。改めてユージン・スミスの凄さと、現代に「MINAMATA」を取り上げたジョニー・デップのメッセージ性を強く感じた。

2021/10/18

nyaoko

先日読んだ石井妙子さんの本から読みたいと思って借りた。公害病の原点とも言える「水俣病」田口氏がインタビューした杉本栄子、緒方正人、そしてユージン・スミスとの対話。読んで良かった。チッソと水俣の人々は長い年数をかけてかけて和解した。昔の海を取り戻した。日本航空と日航機墜落事故の遺族の事、東電と東北の人々の事等を思った。早く、早く、一日でも早く、苦しんで来た人が救われますように。

2021/11/05

けんとまん1007

水俣。この言葉から連想することは、人それぞれ。年代、土地、関心事など、それによって随分と異なる。同じ一人であっても、時の移ろいと共に変わりゆく。しかし、変えてはいけないこと、変わらないことも歴然としてある。そんなことを考える。先に、ユージン・スミスさん関連の本を読んだことが、この本に辿りついたのかもしれない。著者の田口ランディさんの、真摯な姿勢が伝わってくる。読む側のこちらも、そんな心持になる。杉本正子さん、緒方正人さんの言葉が、押し寄せてくる。

2022/02/09

ちゃとら

読友さんのレビューでこの本を知った。『MINAMATA』の映画から、公害病としか知らなかった水俣病を知りたいと思うようになった。登場する患者の杉本栄子さん。お母様が最初の患者。NHKのニュースで流れると、まだ病気の全容がわからない中、伝染病だと酷い差別を受ける。コロナの初めの頃と少し重なった。杉本さんのお父様は網元で人格者。差別の中でも「人を恨むな生かされたんだ。海のシケみたいなものだ。」と言い続けたが、海は3日もすれば穏やかになるが、この戦いは50年も続いたとあった。石牟礼さんの本も読んでみたい。

2022/02/28

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