まっとうな人生
まっとうな人生 / 感想・レビュー
みっちゃん
逐一「わかる、わかる」主人公花ちゃんの心情を慮りながら読む。穏やかに暮らせていたとしても、何かの拍子に沸き上がる落ち込み、不公平感、焦燥感、ひとの負の感情、それをこのコロナ禍は増大させてしまったように思える。マスクや消毒液を求めてドラッグストアを廻った事、布マスクをちくちく縫ったけど、いつか悪役扱いされてしまった事、市外に出る時に自分の車のナンバーを気にしたこと、早く昔の事として笑い飛ばせるようになったらいい。なごやんが賞を獲った脚本、大好きな話だから作品で読みたい。花ちゃんもなごやんもどうか幸せに。
2022/08/15
名古屋ケムンパス
10年ぶりに「なごやん」と「花ちゃん」に再会できるなんて、夢にも思いませんでした。二人の再会が名古屋や博多でなく富山だなんて、でも何故だか真実味がありますね。小説なのに、本当は花ちゃんのエッセイのように感じてしまいました。飛騨のキャンプ場から「逃亡」した柴犬の小太郎が途轍もなく愛しいですね。電話を貰えれば、なごやんの実家の近所に住んでいるので、お二人にお会いできたのにと、無理と分かっていても、誠に残念です。
2023/03/17
のぶ
本書が「逃亡くそたわけ」の続編だと知らずにいきなり読んだ。またやってしまった。自分はそちらを読んでいないのだ。花ちゃんがなごやんと再会するところから始まるが、その経緯が分からないところが何とももどかしい。そんな未知の部分はあるものの、この本だけでも魅力は十分に伝わってきた。作品の中に登場する名古屋は今住んでいるし、福岡にも住んだ事がある。舞台の富山は何度か訪れた。とても良いところだ。物語はそんな登場人物がコロナ禍での何気ない生活を描いたもの。人物の個性がうまく出ていて面白かった。前作を読もうと思う。
2022/06/02
まちゃ
タイトルに惹かれて手にした一冊。富山県で夫・アキオちゃん、娘・佳音と暮らす花ちゃんが日常生活で感じた不安や安らぎ。コロナ禍を経験したからこそ感じる安寧な日々の大切さ。淡々とした文章から、そんなことを感じさせる作品でした。冒頭の富山県の地図は途中で何度も見返しました。/忘備録「逃亡くそたわけ」の後日譚。「逃亡くそたわけ」は、花ちゃんが「なごやん」と繰り広げた九州縦断の脱走劇
2022/09/28
bura
「逃走くそたわけ」続編。「あたしはいつまでまっとうに生きることができるのだろうか?」嫁ぎ先の富山県で夫と娘との幸せな家庭を持ちながら花ちゃんはふと思った。氷見の街中でやはり妻と息子を持ったなごやんとバッタリ出会って再び家族共々の交流が始まった。前作の様なパワフルな逃亡劇ではなく、かなりリアルなコロナ禍での暮らしを描いた物語。前回は「逃げる」今回は「とどまる」真逆なテーマだが花ちゃんの心の葛藤は底辺では変わらない。 娘が何気なく教えてくれたお日さまの光の暖かさにその答えがあると思った。人生は続いていく。
2022/07/12
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