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私と街たち(ほぼ自伝)

私と街たち(ほぼ自伝)

私と街たち(ほぼ自伝)

作家
吉本ばなな
出版社
河出書房新社
発売日
2022-06-15
ISBN
9784309030432
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私と街たち(ほぼ自伝) / 感想・レビュー

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starbro

吉本ばななは、新作中心に読んでいる作家です。ほぼ自伝と言うよりも、東京の「街」をめぐるほぼエッセイでした。 著者とは、ほぼ同世代ですが、著者が5,6歳ごろから小説を書いているとは思いませんでした(驚;作家歴ほぼ50年) https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309030432/

2022/07/07

mukimi

ばななさんがこれまで暮らした街の記憶を辿るエッセイ。暮らした街の話をすればそれが自伝になるって当然のようで面白い(これから初めて会う人には育った街のことを聴きたい)。その街の匂い、風の通り方、日の差し方、人の話し方、スーパーの品揃え、ごみの捨て方、行きつけの店、やっぱり違う。そのひとつひとつを深く広い感性で受け止め記憶に刻み愛しむ、「今この瞬間を忘れない」という気持ちを本当に忘れずにフレッシュに心に保管しているばななさんの感受性は流石。今を大切に生きるとはどういうことかを教えてくれる。

2024/05/05

jam

たとえば新たに既存集団に加わるときなどは、双方に緊張感がある。それは、そもそも人に「異物警戒」システムが備わっていることと無関係ではない。一方、人はそれと意識せずに膨大な数の細菌と共存しており、彼らにとって人の身体は世界の全てに等しい。常に世界は、その瞬間に在る有象無象の事がらにより変化しながらも均衡を保ち互いを緩衝する。街もまた例外ではない。作者の街語りが「ほぼ自伝」なのは、物理的な関係性だけではない。同じ時、同じ街に存在していても人はそれぞれ相違する世界を生きる。それが、人の孤独の所以かもしれない。

2023/04/13

ネギっ子gen

生き抜くうえで、プロの小説家にならざるを得なかった著者が、<小説を連綿と書き続けている中で起こった、自分に大きな影響を与えた街とできごとだけを書いた>自伝的エッセイ。なのだが、読者的に一番読みたいところの、小説家としてのスタートについて言及がない。それに対して著者は、以下のように書く。<全く自伝じゃないじゃないか/そうお思いの方もおられると思う。私もちょっとだけそう思う。でも、どうにもできない。だって、それは私の人生の目立たない一部で、小説であることはいつもあたりまえのことだった>と。そうでしたか……。⇒

2022/08/03

sayuri

表紙は、ばななさんの幼少時代。裏表紙には御家族の笑顔の写真。昭和ノスタルジーに浸りながら頁を開く。まえがきと10篇のエッセイが収録された本作はタイトル通り「ほぼ自伝」。今まで勝手にばななさんに抱いていたイメージとは異なり、より人間らしくより身近に感じた。まえがきでご自身の事を「立派な発達障害」と書かれている。その後に続く文章やエッセイからみんな色々なものと闘いながら生きているんだなと実感する。お父様である詩人で評論家の吉本隆明氏とのエピソードや業界内での裏話が興味深い。移り変わる街に想いを馳せながら読了。

2022/06/29

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