挿絵の女: 単行本未収録作品集
挿絵の女: 単行本未収録作品集 / 感想・レビュー
いつでも母さん
単行本未収録短編6話。有吉作品は何十年ぶり?って位久しぶり。『挿絵の女』『指輪』『死んだ家』どれもざわっとする感じが良かった。ラストの『鬼の腕』舞踏家の業が面白かった。
2023/05/09
じいじ
昨年あたりから有吉佐和子の小説が、次々に復刊されて注目されているようです。今作はこの3月に、単行本未収録の短篇集として出版されました。表題作は無名の挿絵画家と、彼を見つけ出した女編集者の恋を交えたお話。彼女が密かに「売れっ子挿絵画家の妻」を夢見て、彼を懸命に支える姿が涙ぐましいです。そのかいあって、彼は挿絵画家として…。この短篇集、笑みもこぼれる作品…など、懐かしさを感じながら、毛色の違った6篇が面白いです。
2023/04/12
ソーダポップ
挿絵画家が記憶を失いながらも、描く女性を通じて心理描写が綴られる「挿絵の女」を含む有吉佐和子の単行本未収録の短編を六篇収録。人間の複雑な機微や生活の中の葛藤が描かれている。代表作「紀ノ川」の元となった「死んだ家」日本舞踏家の生き様「鬼の腕」等、作者独特の描写力やテーマの深さに魅了された。読み終えた後は、人間の複雑な心理や悩みが巧みに取り入れられていて、作者のストリーテリングの高さを感じた。作品ごとに異なる興味深いテーマや人間関係が良い印象を受けました。
2024/06/09
亜希
装丁に惹かれて。有吉さんって誰だろう?と思っていたら、1931年生まれの方で、収録作品も1950年代後半~1960年代に雑誌に掲載されたものと知り驚き。確かに言い回しや生活様式などいまとは違う描写も多かったけれど、その当時の作品と聞いて勝手に思いつく印象とは異なり、どの短編もかなり読みやすかった。特に「指輪」「崔敏殻」が好きでした。
2023/04/07
あまみ
まだ「戦後」であった頃に書かれた短編。文芸誌に掲載されたが、単行本になっていなかった(本書が初めて単行本)ものばかり6篇。有吉さんの短編はおそらく初めてよんだ。特に「崔敏殻」が面白い(愉快だった)。~あの項羽もたじたじにされる口八丁の男の物語。
2024/05/27
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