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くもをさがす / 感想・レビュー
starbro
西 加奈子は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。著者初のノンフィクションは、異国(カナダ バンクーバー)の地、コロナ禍の乳癌闘病記でした。私もガンサバイバーなので、思いっ切り共感出来ました。著者には、これからも何とか新作を発表いただきたいと思います。しかし「くも」が蜘蛛🕷だとは・・・ 今年のBEST20候補です。 https://www.kawade.co.jp/kumosaga/
2023/05/27
Sato19601027
力強いエッセイである。異国のカナダで乳癌と宣告され、手術を経て治癒するまでの心の動きが丁寧に描かれている。「異国での癌治療」という重いテーマであるにも拘わらず、軽快なテンポで読めるのは、引用された文章の数々に唸らされ、関西弁の話し言葉に笑わせてもらったからだろう。「日本人には情があり、カナダ人には愛がある」という観察眼や、LGBTQIA+の人々への配慮に感動。癌を発見できた切欠となった蜘蛛は、本当におばあちゃんだったのかもしれない。(書店員が選ぶノンフィクション大賞オールタイムベスト2023大賞受賞作品)
2023/11/27
bunmei
直木賞作家・西加奈子が、カナダ移住後に発症した乳癌との闘病生活を綴った一冊。言葉もままならなく、医療体制も日本とは違うカナダでの癌治療は、不安と苦しみの連続であっただろう。しかし、文面からは、人は決して一人では生きていけない事、人を頼る事で繋がり合う素晴らしさが、溢れている。異国の地で死を間近に感じたことで、改めて自分の弱さを認識し、それを露呈する事で、生きる力への執着とポジディブさへと変換した事が覗える。また、カナダの看護婦や医師の言葉を、能天気な大阪弁で表現しているのは、西さんらしい描写である。
2023/06/09
うっちー
経験者でしかわからない境地かもしれません。還暦すぎると、いつ来てもおかしくないと思いました
2023/05/28
原です。
★★★★★カナダに居住していることも知らず、乳がんになっていたことも知らず、コロナ禍の中で闘病生活をしていたことも知らず、そこから復活していることも知らず。闘病中から日記や文章を書きながら、カナダでの闘病生活をここまで興味深くかつユーモア溢れて表現したエッセイは他にあるのだろうか。死ぬために生きるとはいえ、本当に西加奈子さんが生きていて良かったです。感謝です。
2023/04/30
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