KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

風配図 WIND ROSE

風配図 WIND ROSE

風配図 WIND ROSE

作家
皆川博子
出版社
河出書房新社
発売日
2023-05-09
ISBN
9784309031088
amazonで購入する Kindle版を購入する

風配図 WIND ROSE / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

starbro

皆川 博子は、新作中心に読んでいる作家です。著者の新境地でしょうか、小説に詩歌や戯曲を盛り込んだ作品、文学としての格調は高いと思いますが、物語としては・・・ https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309031088/

2023/06/14

榊原 香織

中世、北ヨーロッパで少女2人が商人として成長する、という非常にニッチな物語。 作者の博識にはいつもながら感心する。 特に、決闘裁判(しかも男対女)のシーン。最近新書で読み、それを小説にしたのがある、と知って、本書を手に取ったのだった

2024/05/25

雪紫

12世紀、男尊女卑な政略結婚生活から交易商人の道を選んだヘルガとその夫の妹、アグネの進んだ航路。あらすじからふたりのシスターフッド的な雰囲気を感じたものの(勿論引き立ってるものの)描かれるのは当時の流通、そして理不尽な環境で春を謳歌するものが、抵抗したものに対する怒り(ざまあ展開を迎えた悪役が逆恨みしてるようなもの)と貫く意志。時折戯曲形式が流れることにより小説を読むというより観客席で終始スポットライトの付いた舞台を見てるような感覚を味わう。そして、静かにもう、終わりと思うほどに最後まで引き込まれていく。

2023/09/06

アイシャ

12世紀のバルト海に浮かぶ島ゴットランド島。15歳のヘルガは望まない結婚式の直後に、難破船の生き残りの商人の代わりに命がけの決闘裁判に臨む。成人男性相手に勝利した彼女は周囲からの冷たい眼を浴びながらも、交易商人として旅立つ。男性社会の中で窒息しそうに生きてきた少女二人の自分探しの物語であり、それを見守るように傍に立つ完全奴隷の男性の愛の物語でもあった。作者が1930年生まれで、つい最近の連載であったことにも驚いた。大きな時間の中では、必死に自由を求めて生きる人々の人生もほんの一瞬の出来事のようだ。

2023/07/21

ぐうぐう

子供であったり、女性であったりは、弱いものと決めつけられ、当たり前のように虐げられる。子供であり、女性でもあるヘルガは、まかり通るそのような常識に抗う。ハンザ同盟前夜の、12世紀ヨーロッパが舞台。この、日本では馴染みのない時代と場所に焦点を当てながら、しかし皆川博子は小説と戯曲をミックスするという革新的な手法で描くのだから、すごい。決闘裁判に至る議論を戯曲でテンポよく見せ、肝心の決闘裁判の場面を小説で臨場感たっぷりに描写する、その効果よ。さらにそこに、既存の詩歌が挿入される大胆な試み。(つづく)

2023/08/31

感想・レビューをもっと見る