G・バタイユ伝 下 1936~1962
G・バタイユ伝 下 1936~1962 / 感想・レビュー
igi_tur@Le livre
父とのエピソードなどをおさめた前半については結構知っていてもこのあたりの時代のバタイユについては知らないことが多い。「青空」についての下りなどは伝記の地の文とバタイユのテクストが渾然一体と成り、まるで共作のようだ。
2009/10/14
最終的に彼の父親のように思考の崩壊=肉体の消滅の合一に向かってゆくのは迫力がある。吉本隆明の「非-知」にボケとルビが振られて苦笑を誘ったが、バタイユの場合は思考を可能にするものが同時に思考を不可能にするものであるその地点に自覚的に向けられているのが、この人の凄みか。ただ、こういう風に考えると極限の思考を考えた人としては、吉本の場合が良くも悪くも体系を思考し得たのに対して(要するに理性的に対処した)、バタイユの場合は終始ぶっ飛び過ぎているとも思う。ほとんど狂気紙一重。
2024/03/10
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