ブコウスキーの酔いどれ紀行
ブコウスキーの酔いどれ紀行 / 感想・レビュー
ネギっ子gen
【人生は時にはひどいことになるかもしれないし、別の時は――ひょっとしたらまずまず――だとしても】故国ドイツへの旅の模様が綴られたエッセイ。同行カメラマン、M・モントフォートの写真80数点と、詩11編を収録。写真は粗い画質のモノクロだが、この白黒だけの濃淡という趣向がナイス。で、訳したのが、あの「受験生ブルース」の方。原題は『シェイクスピアは決してこんなことをしなかった』だそうで、邦題は編集部の意向でしょうか。あるいは訳者が、同じフォークシンガー仲間である酒仙・高田渡あたりを脳裏に浮かべたのだろうか――。⇒
2023/05/25
shun
フランスとドイツを訪れた時のことを綴った旅行記。旅行記ではあるけれど、ほとんど酒を飲んで酔っ払っている。それでも人や観光地に対する冷めた目でユーモアを持って綴られる独特な文章はとても心地良い。
2023/02/12
lsfid
「どこへ行っても酒ほど人を寛がせてくれるものはない」とガールフレンドのリンダ・リーとワインを空けまくる故郷への旅。酒のボトルに言葉は必要ないらしい…。 観光地などにも目もくれないブコウスキー。「ほとんどどんなことにも興味を引かれない人間が、どうしてものを書くことができるのか?どっこい、わたしは書いている。詩や教祖になりたがる作家が多すぎる、みんな自分のタイプライターを忘れてしまっている。作品は人生ではないのと同様、不滅でもない、ただちょっとした賭けなのだ」ブコウスキー自身の実像が滲み出る旅エッセイである。
2024/10/20
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