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ゴースト

ゴースト

ゴースト

作家
ウィリアム・バロウズ
William S. Burroughs
山形浩生
出版社
河出書房新社
発売日
1996-06-01
ISBN
9784309202662
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ゴースト / 感想・レビュー

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なる

ノリに乗ったバロウズの中編。カットアップを多用しているとすぐにわかる文章。さすがの山形浩生、バロウズ節を尊重して日本語訳では下手な翻訳っぽい感じを狙って構成されている。これカットアップ技法だって知らないまま原文を読んでた米国人はどういう感覚だったのか興味深い。メガネザル偏愛で人間嫌いなバロウズと、最終的に感染が世界中に拡大してめちゃくちゃになるところとか突き抜けている。個人的には本文に差し込まれる本文に関係ない注釈が好み。分量も内容も。特に注釈11は下品きわまりなくて最高だけど、下品すぎて紹介できない。

2022/10/26

miroku

神も人間社会も否定するバロウズ。シニカルだ。

2015/10/18

テツ

薬物中毒者がドラッグでラリっている状況でがなりたてる姿。この世界の秩序を形成している全てに対する否定。神、それを崇め信じる奴ら、政府や国なんていう煩わしい存在への否定とは拒否。なんとなくストーリーは存在するのだれど内容を一言で説明するのならそうとしか言えない。僕はバロウズ好きなんだけれど友人から何かお薦めの本を貸してと頼まれたときに決して渡そうとは思わないな。バロウズ初めての方は小説ではなく詩を読むつもりで読んだ方がいいかもしれませんね。

2017/12/27

roughfractus02

意味とパターンが世界を荒廃させ、人間をダメにしている。なぜなら、意味とパターンにすがっても、それは脆弱ですぐ壊れる代物だからだ。本書から、そんな作者の叫びが聞こえるかのようだ。心や魂、精神すらも連想させる「ghost」は見たこともない何かとして信じられている。が、本書ではメガネザルがその意味とされ、不可侵の地位を与えられる。こうして、アニミズム的退行を余儀なくされた言葉たちは、お馴染みの人物達と主人公ミッション船長の冒険物語パターンを描かずに逸脱し散逸する。意味とパターンへの依存は不安を起こすだけである。

2020/12/02

たこやき

バロウズにしろピンチョンにしろ1つ1つのセンテンスを理解しようとすると理解できずにつまずくので一気に流し読んで伝えたい情景のアウトラインを固めてから自分の中に取り入れると割とすんなり消化することができる、なんだかオートマティズムの読書版とでも言うべきか、オートリーディズムとか? キリスト教と政府やら何やら近代的なモノという記号がバロウズの「忌むべきもの」の記号なんだろうか。本書だけでは理解に乏しい感があるので他の作品も読んでみないとなんとも言えないと思った。

2015/07/11

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