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年老いた子どもの話 (Modern&Classic)

年老いた子どもの話 (Modern&Classic)

年老いた子どもの話 (Modern&Classic)

作家
ジェニー・エルペンベック
松永美穂
出版社
河出書房新社
発売日
2004-02-11
ISBN
9784309204000
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年老いた子どもの話 (Modern&Classic) / 感想・レビュー

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NAO

ある夜商店街の道路に立っているところを発見され、14才ということ以外何一つ思い出せなかったため児童養護施設に保護された大柄な女の子の話。後半での記述表記からこの町がドイツのドレスデンであることがほのめかされ、この女の子は戦争孤児として保護されたらしいことがわかる。彼女が自分の年以外何も覚えていないと言っても不思議がられなかったのもそのためだろう。最後にこの女の子の正体がわかるのだが、彼女がこんなことを企てるにあたっては、母親への強い屈託があったようで、彼女が道路に立つまでの物語を知りたいと思った。

2022/11/21

空猫

何とも不思議なお話で感想が書きにくい。「14才」ということ以外忘れてしまった女の子が保護され孤児院で暮らす様子がずっと描写される。ドイツで実在した女の子を題材にした小説。ラストで意外な真相があるも消化不良。ドイツ人にしか、解説を読まねばよく分からなかった。ドイツにはバケツに関する諺が多い事はよく分かった。

2021/02/05

アイアイ

路上で空のバケツを持った記憶喪失の14歳の「少女」が児童養護施設に入れられる。9912番の服を縫い付けられ鏡の無い規律厳しい規則の中で暮らす。 わざとらしい程の劣等生になろうとする態度に他の捨て子から反感を買い「罰を与えても改善できる見込みのない」事を教師や指導員に示し一番弱い存在になろうとする。舞台は統一されてない時代の東ドイツ。 病によって病棟に移った時、少女の正体が明かされる。▽図書館

2015/10/21

かもめ通信

「もう一度、子ども時代をやり直すとしたらあなたはどこから始めるだろうか?」という帯のキャッチに惹かれて手にした本。輪廻とか転生とかいった話なのか?と思いながら読み進めるも、薄い本なのに最後の最後まで先が見通せず、読み終えた後もあれこれと思い返して反芻してしまう不思議な読み心地。

2023/10/22

きゅー

バケツだけを持って商店街に佇んでいた14歳の少女。まったく過去の記憶がなく、身元も分からないため、児童養護施設に預けられることになったのだが。なんとも結末の解釈に苦しむ物語だった。それまで現実的な話が続いていながら、最後の最後でこれはファンタジーなんだよと言われても、ちょっと困ってしまう。ああいう結末のつけかたは、そこまでの過程をぜんぶ放り投げることにならないだろうか。せっかくの物語がもったいないという感想と、他にもっと良い締め方はなかったのかという残念さ。どうも後味の悪い物語だった。

2021/03/29

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