天使はポケットに何も持っていない (Modern&Classic)
天使はポケットに何も持っていない (Modern&Classic) / 感想・レビュー
りつこ
アル中でろくでなしのブルーノが死に瀕した父に会いに故郷に帰るのだけれど、酒が切れるとイライラして爆発し、酒を飲むと自制が効かなくなりメチャクチャをし、その暴走はとどまるところを知らない。なんでこんな最低な男の物語を読まなきゃいけないんだ?とイライラしてくるのだが、読んでいるうちにブルーノの優しさと弱さが見えてきて、いつの間にか彼を優しい気持ちで見守ってしまう。クソを垂れて他の犬に見境なく噛みつくロッコはブルーノそのもの。彼らの間に生まれた敬意の友情が少しだけ明るい未来を予感させてくれる。
2015/09/25
redbaron
酒好き・女好きが醸す、哀しい人間臭をどうぞ。ブコウスキー、トム・ウェイツ好きならたまらない…と思うの。老犬に対するこの男の想い、本当に優しい男なのだろうと感じるわん。さて、ジャックダニエルをなめながら、昔飼っていた犬を想い出すか。
2015/11/25
ぱせり
方法は滅茶苦茶だったけど、父への告別と、自身の長い再生の道への初めの一歩。不器用すぎる主人公のために、その案内役を、一頭のブルテリアが勤めてくれた。そんな気がする。時期はクリスマス。温かい(もしかしたらそれほどきれいではない)LAの空に向かって深呼吸したくなった。
2020/11/24
国士無双
◯ブコースキーが敬愛するジョン ファンテの息子の物語。ハチャメチャ加減が良い。
2016/01/23
まこと
まさか自分がこんなダメな主人公に感情移入できる日がやってくるなんて。アル中で女性にだらしなくすぐ感情を爆発させる男が死んだ父親と正面から向き合って人生を見つける話、になるんだろう。父親への愛情と尊敬の念が心を打ついい物語。これを機に今まで興味がなかったブコウスキーも読んでみようと思った。
2016/02/20
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