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木曜日に生まれた子ども

木曜日に生まれた子ども

木曜日に生まれた子ども

作家
ソーニャ・ハートネット
金原瑞人
出版社
河出書房新社
発売日
2004-02-17
ISBN
9784309204062
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木曜日に生まれた子ども / 感想・レビュー

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あじ

オーストラリアの開拓時代を生きた、一家の次女ハーパーが語り手となり回想する物語。“地中”に飲み込まれた弟がもぐらのようになり、もう一人は帰らない。そんな喪失と貧困に苦しむ一家に届く“地中”からのギフトは、私には皮肉に映る産物であり、訳者のように「感動的」には捉えられなかった。一家の誰もがここから逃げ出したい、こんなはずではなかったいう思いを抱きながら生活している。その中にあって潜る事を選択した彼が、超越した存在となっていったのかもしれない。一部齟齬を味わう裏道で、有意義な読書をしました。◆ガーディアン賞

2018/10/21

小夜風

【図書館】オーストラリアの開拓地で暮らす一家の少女ハーパーが語る、不思議な弟ティン。最初から怖くて怖くて、こんな両親のもとへ生まれてしまった運命を、この子たちに代わって呪いたくなりました。夢も希望もなくてただひたすらに重く暗いのに、早くここから抜け出して息がしたいが為に読み進めた感じです。タイトルの「木曜日に生まれた子ども」はマザーグースのなかの一節。「木曜日に生まれた子どもはどこまでも歩いていく」から。思わず自分の生まれた曜日を調べてみたら、自分は金曜日生まれでした。

2014/10/21

mntmt

一風変わった話ですが、引き込まれる。最後まで、読んで良かった。原題:Thursday's Child

2015/05/26

はる

図書館本。本を閉じて困ってしまっている。なんとなく結末の黄金の輝きは予想しながら読んでいたものの、それにいたるまでがこれでもか!というほど、穴に落ち泥にまみれ飢えて切なくてたまらない。ティンと崩れ落ちた家、乾し草小屋からできた家、ケイブルの屋敷。そしてティンのいない海辺の小さな家。パパもママもいない家!きょうだい達にひっぱられて結末までたどりついたので、その後の幸せを祈りたい。

2014/11/18

ケロリーヌ@ベルばら同盟

弟ティンは、木曜日生まれ。さまよう運命のもとに生まれた。姉ハーパーが語る家族の物語。…子供は、木曜日生まれでなくてもいずれ遠くへ行くものだ。離れる距離は、物理的であれ、心理的であれ。元金鉱の荒れた開拓地で暮らす一家は、自然の猛威、世界恐慌、幼児の死と、次々苛酷な試練に襲われ、荒んで行く。ティンは、大地に抱かれ、土中に暮らし、姉と兄は、仕事を求めて家を出る。家に残ったハーパーもまた、両親の心が、最早此処には無い事を感じる。最後に家族の前に姿を現したティンがもたらした物は、恩恵だったのだろうか、呪縛だろうか。

2018/01/06

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