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ギフト (西のはての年代記 1)

ギフト (西のはての年代記 1)

ギフト (西のはての年代記 1)

作家
アーシュラ・K・ル=グウィン
Ursula K. Le Guin
谷垣 暁美
出版社
河出書房新社
発売日
2006-06-21
ISBN
9784309204642
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ギフト (西のはての年代記 1) / 感想・レビュー

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榊原 香織

さすがル・グィン 猫はエンニュの生き物、オパールはエンニュの石(エンニュ;低地人の神?) 人間の意思に従う時、犬は受け入れ、馬は同意する。 動物をよくわかっている。 本や物語に対する愛情もとても感じる。 晩年の大河ファンタジー。 3部作の1,まずは高地に住む超能力を持った一族について。悩める若い二人の物語。 あと2冊が楽しみ。

2021/03/29

Die-Go

追悼ル=グウィン。再読。様々な超常の力「ギフト」を持つ人々の生活する"高地"に、一人の"低地"出身の風来坊が訪れるところから物語は始まる。ギフトを発揮できずに劣等感を抱いていた少年は、ひょんなことからその力の過剰な顕現により、封印のために目を閉じられる。そして近隣の違う「ギフト」を持つ村の長の孫娘との政略結婚の話が持ちかけられ。。。「ギフト」の言葉の意味が深い。少年の葛藤と成長が描かれている点からも、読者の対象年齢は低め?この「西のはての年代記」は全3巻なので、まだあと2冊楽しめる?★★★★☆

2018/02/26

星落秋風五丈原

本作は全てが大人になった主人公オレックの回想であり、いわば話中話形式である。旅人エモンに対して、西の果ての高地の領主がどのように領民を支配してきたかをカスプロマントの領主カノックの息子オレックが話すスタイルで、物語世界が読者に向けて紹介される。この時オレックは視覚を奪われた16歳の少年で、傍には不愛想な少女グライがいる。ところで、“視覚を奪われた”は正確ではない。彼は自ら目隠しをしている。ちなみにこの“自ら目隠し”が第一のフックである。持っていることで他者への抑止力となるギフトは、現代の核のメタファー。

2021/08/23

tom

図書館のゲド戦記の隣に置いてあるのを見つけたのがこの本。グウィンさんはいろいろと書いてるのだなと思い、借りてくる。特別の能力を持っている人たちの集団で暮らす少年の物語。動物とお話ができる、人を病気にしてしまう、などのギフトを持つ人がいるなかで、主人公の少年が持つ能力は破壊する力。それも、とても強力な力。見ることによって破壊する。少年は、この力そのものを恐れる。この力は何なのだと葛藤するという物語。申し訳ないけれど、たいして面白くはない。でも、この物語は続く。面白くなるかもしれないと期待して次巻に進む。

2021/11/10

湖都

子供の頃のように、異世界に吸い込まれる思いをした物語だった。簡単な言葉ばかりなのに緻密で重みのある語り口にうっとりとし、最初の数十ページは世界に浸るために2度読んだ。ギフトという力を持つ高地の少年・オレックの成長物語と言ってしまえばそこまでなのだが、冒険活劇ではなく、染み入るような格言や泥臭い国同士の争いを絡めた静謐な物語はぜひ思春期を過ぎた大人に読んでもらいたい。双方向性のあり多様な意味を持たせられた「ギフト」に優しさを感じてもらいたい。

2019/06/08

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