憑かれた鏡 エドワード・ゴーリーが愛する12の怪談
憑かれた鏡 エドワード・ゴーリーが愛する12の怪談 / 感想・レビュー
nuit@積読消化中
本書のゴーリー選出怪談はすべてハズレなし。怪談好きなら読んだことのあるド直球な定番ばかりとはいえ、何度読んでも本当におもしろい。ひとつひとつのお話にあるゴーリーの挿画も素晴らしい。個人的にも大好きな作家作品ばかりでした!怪談ではありますが、素敵な時間をありがとう。
2018/06/15
KAZOO
エドワード・ゴーリーというと淡彩のきめ細かな線で書かれた一風変わった絵本を書いているというイメージがあります。その絵の作者が選んだ12の怪奇的な話とゴーリーの挿絵で楽しませてくれます。訳者の一人でもある柴田元幸先生はゴーリーの本をかなり訳されてもいます。やはり既読ですがブラックウッドの「空家」、ディケンズの「信号手」、ジェイコブズの「猿の手」が印象に残りました。そのうちに再読したい気がしました。
2024/09/25
mocha
名だたる作家の作品を、ゴーリーの扉絵で読める豪華な一冊。思い出してトイレに行けなくなるような身近な怖さはないし、スプラッタな描写もなく、純粋に話運びの妙を楽しめた。『猿の手』のみ既読。何度読んでも怖い話だ。『八月の炎暑』は まさにぴったりのタイミングということもあり、好きな作品。何かが起こる「予感」こそが怖い。サスペンスタッチの『亡霊の影』『古代文字の秘法』も面白かった。
2016/08/16
がらくたどん
ゴーリーが選んで絵を付けた19世紀から20世紀初頭あたりのイギリスの「怪談」が12編。今風のホラーとかスリラーではなく「怪談」。叔母さんと甥っ子の幽霊屋敷での肝試しの一夜。白昼夢のように出会った自分の墓碑銘。警告する夢。歩く大理石マン。消耗した心身を追い詰める紐と鼠。復讐する肖像画。ご存知古典「猿の手」にこの世でもあの世でも同じくらい危険な女。そしてあからさまにヤバイ魔術研究家の行く末等々。「出る」から怖いんじゃない(いや、怖いけど)。「出そうな空気」に心身が絡めとられ悪意が沁み込むから怖いんだ!ヒッ!!
2023/06/06
keroppi
【日本の夏は、やっぱり怪談】〈其の二・洋編〉エドワード・ゴーリーが選んだ怪談集ということど読んでみた。ディケンズ、スティーヴンスン、ストーカー等、古典の作家達が名を連ねる。ゴーリーの扉絵が、不気味な雰囲気を醸し出し、怪しの世界へ導いてくれる。ただ、ゴーリーの作品ほどは不可思議ではない。古典的な怪奇ものを味わった感じだ。特に気に入ったのは「猿の手」かな。この本を読みながら寝たせいか、昨夜うなされていたそうだ。鏡の向こう側の妖しい影に呼ばれそうになったみたいだ。
2020/08/12
感想・レビューをもっと見る