マドゥモァゼル・ルウルウ
マドゥモァゼル・ルウルウ / 感想・レビュー
藤月はな(灯れ松明の火)
宇野安喜良氏のコケティッシュな御洒落でかわいい絵と訳が森茉莉嬢ならもう、読むしかないでしょう!しかもはじめの文が与謝野晶子なのも素敵。お転婆で無邪気なルウルウ。悪い言葉もはっきり、いうルウルウの姿は時に面倒くさい人間関係に縛られた女子には少し、羨ましく、思えます。より物を知らないだろう、プパ(パパ)を呆れながらもそれでも慕っている描写は父である、森鴎外氏(プパとは真逆である)に溺愛された森茉莉嬢にしかできない描写です。熊や猫などの動物描写が可愛らしいのは作者が動物好きだったことが影響しているんだろうな~。
2013/12/13
元気
1880年代のフランスを舞台に「賢くて善良で恐るべく躾が悪い」(笑)貴族の少女ルウルウと彼女に翻弄される人々を描いた戯曲。本編は19世紀後半のフランス事情や当時の上流階級の因習に加え、80年前の翻訳ということもあり読みにくさはあったが、それでもルウルウの周りを巻き込む溌溂さには度々笑みを浮かべそうになった。一番面白く感じたのはプパ(パパ)とのやりとり。優雅なイメージのフランスの世相や日常が、父娘の漫才じみた応酬で喜劇になっていくのがおかしい(笑)俗っぽさに近づきつつ雰囲気は上品さを保っているのは貴族出身の
2019/08/08
しあん
天真爛漫な少女ルウルウの巻き起こすかわいらしい騒動が描かれています。この上なく美しい装丁に、自然と笑みがこぼれてしまいます。
2017/09/28
夏
装丁があまりにも可愛くて手に取ってしまった一冊。外側だけではなく中身も可愛い。全てのページにピンク色の線で絵が描かれており、その絵は章ごとに変わっている。ただ、戯曲自体にはあまり満足できなかった。主人公のマドモワゼル・ルゥルゥ。彼女は確かに賢く、頭の回転が早いかもしれないが、けれど知識の使い方が賢くない。彼女は自分のため、人を貶めるために知識をひけらかす場面が多い。大人に対する反抗心、周りを見下した言動が多く見られ、終始彼女を好きにはなれなかった。
2019/11/04
ココマ
砂糖菓子みたいに側面までピンク色の本。訳者が森茉莉であるせいか、やはり単純ではなく、罌粟粒を入れたケーキの様に隠し味の効いてる文章である。冒頭に「永遠に進歩的でおっかない感じの女性」与謝野晶子の序文が出てきたが、彼女の如く本書を深読みはせず、ヒロインの高速回転な言動を只楽しんだ。本好きな女性なら誰でもルウルウの様な生意気な時期があった事を思い出してしまうはず。話言葉については戦前の日本の少女はこういう言葉を使うのが先端だったのか、それとも令嬢森茉莉が想う乱暴な言葉なのかとあれこれ思い巡らせつつ読んだ。
2020/06/01
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