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レモン畑の吸血鬼

レモン畑の吸血鬼

レモン畑の吸血鬼

作家
カレン・ラッセル
松田青子
出版社
河出書房新社
発売日
2016-01-26
ISBN
9784309206967
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レモン畑の吸血鬼 / 感想・レビュー

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紅はこべ

奇想系の作家だったか。こんな若いアメリカ人の作家が、女工哀史を基に物語を作るとは。『宇宙飛行士オモン・ラー』をちょっと思い出した。タトゥーが物語るというのは他の作家の作品にもあったけど。少年の語りが巧い。馬に転生できた大統領とそうでない大統領の差は?アメリカ史に精通していれば、もっと楽しめたかな。自分の知識のなさが残念。

2018/01/05

nuit@積読消化中

【奇妙な味海外読書会’16】初カレン・ラッセルでした。最初は詩を読んでいるかのような文体に中々入り込めず、若干苦戦気味でしたが、読み進めるにつれ、一つ一つのお話がじわじわと余韻を引きずり、「帰還兵」ではまんまとすっかりはまってしまっておりました。なんともトワイライトゾーンな気分に浸れる新しい幻想文学だと思います。全く関係ないですが、「帰還兵」の刺青話つながりで、レイ・ブラッドベリの「刺青の男」を再読したくなりました。

2016/05/08

星落秋風五丈原

何だこりゃ。太陽が天敵のはずの吸血鬼がイタリアの日差しを浴びてレモンに牙つきたててる「レモン畑の吸血鬼」明治時代の日本が舞台。女工哀史は海外から見ればこうなのか「お国のための糸繰り」

2016/02/24

Koichiro Minematsu

前々作、前作の「狼少女」「ワニ」と違って8編からなる短編集。カレン・ラッセルの広大で時代越えした世界観と感性が、何でそんなことも、日本のことまでも。突飛なアイデアをストーリーにするのかね、っと。勝手な思いですが、タイトルのレモン畑が、彼女らしさかなぁ。ルイス・キャロル➕ティム・バートン監督な感じの映像が浮かびます(笑)

2021/01/20

NAO

日本を舞台にした「お国のための糸繰り」がとにかくよかった。劣悪な製糸工場で過酷な労働を強いられ、結核で死んでいった女工たちは、ある意味工場や蚕と一体化していたともいえる。それを、全く違う視点から幻想的な話に仕上げているこの発想力はすごい。泉鏡花が書きそうな妖しげな雰囲気が好みだった。「レモン畑の吸血鬼」の明るい日の下で行き場をなくして所在無げな吸血鬼の姿は、なんだか身につまされるものがあった。八つの短編は発想が奇抜で、もの悲しさの中にじわっと優しさがあって、深く心の中に残る話ばかりだった。

2016/05/03

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