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十二月の十日

十二月の十日

十二月の十日

作家
ジョージ・ソーンダーズ
岸本佐知子
出版社
河出書房新社
発売日
2019-12-11
ISBN
9784309207865
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十二月の十日 / 感想・レビュー

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ケンイチミズバ

帯のコピーで買ってしまい後悔する。またか。シンプソンズやスポンジボブを小説にしたらこんな作品になるかも。どちらもアメリカでは確実に受けるギャグや放送禁止用語を含めパンチの効いた台詞が満載だが日本人にはいまいち、苦笑い程度なことはよくある。全米ベストセラーなので何かがあるに違いないと思わなくちゃの意識が先行した。子犬をもらいに行った家が所謂プアホワイトの家庭でその描かれ方は失礼に思えるだけでしかない。最近見たドラマではトランプに投票したことを職場で批判するシーンがあったが、これはすごいなアメリカとは思った。

2020/01/20

青乃108号

10の話からなる短編集。【ビクトリーラン】の放送禁止用語連発に引きぎみになるが、そこを乗り越えられればどんどんはまり込む。【スパイダーヘッドからの逃走】は特に傑作。シュールな状況とコントの様な話しの運びに笑わされながらも、ラストは感涙もの。その他どの話も面白い。何しろストーリーと文体が堪らない。例えて言えば【筒井康隆】原作【町田康】リライト、みたいな。そう、まさにそんな感じ。はまればどこまでもはまる。翻訳も素晴らしく、ノリが良いし、いちいちツボをついてくる。ああ堪らん。この著者と翻訳者の他の作品が読みたい

2022/01/08

ペグ

読後、涙が止まらない。それは(悲しい)とか(つらい)とか、ましてや(可哀想)とかでは全く無くて。10作品の主人公たちはプア・ホワイトで生活は困窮し、足掻き、希望し絶望している。惹句に「これほど笑わせてくれる小説家はちょっと他にいない〜岸本佐知子」とあるが、わたしには笑えなかった。登場人物の軽口や悪ふざけの底にあるものが切なくて。全ての作品が印象的だったけれど最後の「十二月の十日」にソーンダーズの真価を見た。言葉によって紡がれる物語の凄さを実感。十二月の十日はクリスマスの二週間前である。

2020/04/27

シナモン

いやー、大変でした。面白いとか面白くないとか、そんな感想を持てるほどこの独特の世界観に入り込むことができませんでした…。この後、「短くて恐ろしいフィルの時代」が控えてるんだけど、どうしましょ😇

2023/07/29

アキ

岸本佐知子の翻訳だけあって、一風変わった短編集。アメリカの底辺であえぐ人々の「今」が透けて見える。2013年出版。著者は同年『タイム』誌にて世界で最も影響力のある100人アーチスト部門に選ばれた実力者。「スパイダーヘッドからの逃走」のSF的内容と終わり方、「センプリカ・ガール日記」カード残高0の時のくじに当たった金の使い道、「訓告」上司からのキツい仕事も乗り越えようとハッパのメール、現代アメリカ社会で生きる人々の生活をそのままあぶり出した感じ。ガーディアン紙が選ぶ21世紀ベスト100・6冊目/100。

2020/03/18

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