内なる町から来た話
内なる町から来た話 / 感想・レビュー
starbro
ショーン・タン、3作目です。街に棲む多様な動物たちを巡る、シュールで不思議で懐かしい25の物語、堪能しました。絵も美しく大判でアート作品としても楽しめます。 http://www.artkarte.art/shauntan/
2020/09/03
のっち♬
動物を題材にした25の物語。姉妹編『遠い町から来た話』と比べて文章表現にも重点を置き、シュールな油彩がオチとしてインパクトを残す。カエルになって赦され、クマに起訴される人間、動物から見たその有罪性は異質な視点で語られる「カバ」や最終章でより顕在化する。「トラ」や「肺魚」も人間の利己性を明解に描いていて手法がユニーク。一方で「イヌ」や「ネコ」は人間との絆が焦点で、「ブタ」や「オウム」も優しさがある。表紙の「ムーンフィッシュ」は出色の出来。人間の心を去らない純粋な好奇心は良くも悪くも様々な"特別"を生み出す。
2022/06/07
けんとまん1007
これまで何冊もショーン・タンの作品を読んできた(観てきた)が、これは少し違う1冊。文章の量がかなりあって、一種のショート集でもある。登場してくる動物たちの在り様が、自分たち人間は何者なのかを問いかけているように思う。決して、明るい物語ではないが、それでいて、どこか希望も感じるのは自分だけだろうか?
2020/11/08
seacalf
見応えたっぷり。ちひろ美術館で開催されていた『ショーン・タンの世界展』に足を運んだのはもう去年の話。原画を間近で見る機会から、1年以上経ってようやく手もとに。『セミ』のように人間社会と動物達のちょっと不気味で不思議な25の物語。どれも面白いが、とりわけタグボートという名の猫の話と、ムーンフィッシュの話、そして肺魚の話は秀逸。ぐいぐい読ませる。夜に見る夢、辻褄の合わないストーリーの夢を文章化したかのような摩訶不思議な世界を描いてくれるショーン・タン。彼を知っているだけで心のどこかに安心感を感じる。不思議だ。
2020/11/26
美紀ちゃん
ショーン・タンの絵がとても好き。ミヒャエル・ゾーヴァを思い出す。 ムーンフィッシュがすごく素敵。犬の話も絵が泣ける。シャチも好き。絵が圧倒的。迫力も優しさも怖さも温かさもある絵。
2020/12/12
感想・レビューをもっと見る