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江戸の妖怪革命

江戸の妖怪革命

江戸の妖怪革命

作家
香川雅信
出版社
河出書房新社
発売日
2005-08-19
ISBN
9784309224336
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江戸の妖怪革命 / 感想・レビュー

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藤月はな(灯れ松明の火)

日本の妖怪観がどのような社会背景で移り変わり、同時に影響を及ぼしたのかという文化論。貨幣経済が普及したことで物の支配力が神霊から人間へシフトし、本草学によって物自体を観察する視点ができたことで付喪神などの妖怪を娯楽の対象として見ることができ、新たな妖怪の創作やパロディも生み出されるようになった。種明かしが主体の妖怪手品や画図百鬼夜行が「妖怪はいない」という合理的精神性の下で成り立っていたという言及が興味深い。拡散する情報としての妖怪は人工憑霊蠱猫の論理に似ていると思っていたら化野燐氏も記されていて、納得

2014/01/24

はな

今年の共通テストで掲載されたと娘が話していて、面白い文章だったと話していたので読んでみました。話自体は難しい部分もありましたが、妖怪を面白いもの、娯楽とした江戸の文化は面白いなと感じました。

2021/02/25

らむだ

フーコーのアルケオロジーの手法を援用し、江戸時代を中心に日本における妖怪や幽霊の認識やそれをとりまく環境について文学や玩具や図鑑などをもとに解説した一冊。 簡潔にまとめられており読みやすかった。 後半、近現代の妖怪・幽霊・心霊などのオカルティズムへの言及もあり。

2021/01/23

梟をめぐる読書

非常に読みどころの多い良書。著者は敢えて議論の範囲を絞っているが、「妖怪は近代においてのみならず、近世においても『キャラクター化』が進行していた」という主張は今日のキャラクター論に視点の拡大を促すものだし、「(江戸時代の)著作権意識の希薄さがキャラクターを育てた」なんて指摘も、まさに今日のネット文化論そのもの。「妖怪シューティングゲーム」というとどうしても『東方project』なんかを連想してしまうわけですが……。それにしても当時の妖怪カードゲームを指して「江戸のポケットモンスター」とは、なんとお茶目。

2011/11/13

ATSU

以前,文庫版を読みましたが,文庫版には書かれていなかった「第4章 妖怪玩具=遊びの対象になった妖怪」「第5章 からくり的ー妖怪を笑いに変える装置」などを読みました。今,「アマビエ」ブーム。予言する妖怪,それに託する江戸時代の人々。という,単純な江戸時代の庶民観ではなく,妖怪を「図鑑」にし,「玩具」にし,「笑い」にするという側面を持っているのです。・・現代人と似ているかも?江戸時代,安永のころには,平和で庶民も楽しむことができるようになり,また,字が読めるようになったからできること。ですね。

2020/06/17

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