白山信仰の謎と被差別部落
白山信仰の謎と被差別部落 / 感想・レビュー
きいち
「白山の会」の各地の仲間と一緒に、現地踏査やらセミナーでの暴走やらしながら謎を追う後半三章の雰囲気、好きだなあと思って読み終わったら、あとがきでの、末期がんの中「とにかく今の研究成果をまとめてください!」という編集者の言葉に応えて急いでまとめたという告白にびっくり。あらためて、本当に学問っていいなあと思いました。◇調べてみたら、2013年のこの本以降、この人新しい本2冊も出したはるやん。素敵だ。◇金沢出張の晩、転勤してた友人と実現させた飲みの席で白山宮にお参りすることを話したら、薦められた本。ありがたい。
2014/04/07
Yuusi Adachi
関西出身のせいか、被差別部落に並々ならぬ関心があります。小学校の頃はは川向うがまさにB地区でした。公立だったので、クラスにもいました。川の堰の向こうには山口組でも武闘派でおなじみの山健組の事務所と、先代山口組の渡辺組長の自宅が…お洒落な港町だけには収まらない神戸クォリティ。その地区には白山神社はなく、白山=被差別部落は東日本に多いように見受けられます。本書でも述べられているように、柳田國男説では、被差別部落民は現日本人です。私も同意見です。興味のない人には全く面白くありません。☆☆☆
2014/03/05
田中峰和
白山信仰と被差別部落の関係について詳しく論じられる。「はくさん」ではなく「しらやま」と呼ばれる信仰はツングース系部族から朝鮮経由で泰氏によって到来した。土着のシラの信仰や仏教と集合して白山信仰が成立。金沢でも土着宗教として普及していた白山信仰は、浄土真宗に駆逐された。加賀の一向一揆など、武士からの搾取に抵抗した浄土真宗は、時宗や白山の信者を吸収して行く信者を拡大。秀吉や江戸幕府以前に、宗教的な迫害を受けた白山信者たちは被差別的処遇を受けた。非転向者として隠れ信者として差別されたという視点も面白い。
2021/06/19
アメヲトコ
期待外れ。著者の問題意識と思いはわかるのですが、軸となる方法論を持たずに論を展開しているために話がちぐはぐで独りよがり、文体も不安定。さまざまなシンポやセミナーに顔を出しては議論を挑んだものの話が噛み合わなかったことをぼやいていますが、さもありなんという感じ。
2016/10/01
芋煮うどん
興味深く読み進めたが咀嚼できたか、というと疑問。知識不足で後半ついていけていない。白山信仰と十一面観音のつながりは、意識したことがなかった。「水」ということのようだが。
2024/08/16
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