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人間と象徴 上巻―無意識の世界

人間と象徴 上巻―無意識の世界

人間と象徴 上巻―無意識の世界

作家
カール・グスタフ・ユング
河合隼雄
出版社
河出書房新社
発売日
1975-09-01
ISBN
9784309240459
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人間と象徴 上巻―無意識の世界 / 感想・レビュー

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マウリツィウス

ユングの人類普遍化計画の意味する現代思想台頭序説はキリスト教神学の系譜を分散させエリアーデと連なることで事実上キリスト教への単一視点含め多様形成させる。深層心理学は文芸理論導入が適切であり間テクスト性をフルに利用した論理展開がユングをオカルト思想家と差別化、ホメロス世界を宗教図表に墜とし込むことで異教異端の擬似浸透を告げる。この時代が背景とした無神論神学傾向を意図的に心理学方法論に改変することでカバラと錬金術によるポストモダン心理学像を構築、内的洞察=心理面という暗黒を照らす概念は薔薇十字とも競合する。

2013/05/07

呼戯人

美しい写真や絵画や図版が多数含まれていて、5万年前に起こった文化のビックバンが、人間の無意識から生まれてきたことが実感される本。元型的無意識が様々な象徴を通して表現されていることが視覚的に真っ直ぐに直覚できる。心の不思議がユング心理学を通してわかりやすく説明されている。私は33歳の時に約半年の間、鮮烈な元型夢を見続けた経験があるので、ユング心理学を半分体験を通して理解することができる。

2015/07/27

roughfractus02

著者の遺著である本書は、著者の第1章を引き継ぐ形で信頼する同僚が各論を担当し、一般読者向けに夢分析を中心として、著者の分析心理学の展開を人類学、民俗学、文明論へと広げる。重要なのは、人間の身体が「長い進化の歴史を背景に持っている」ように「心も同様の歴史で構成されている」という著者の「期待」である。進化論を通したこの心身並行論は、古い心の「背景」を持つシステムとして心全体を把握する基礎を成す。言葉を抽象化した古い心を具体化させる象徴として扱うその独自の夢分析は、人類史の断片と今との関係を取り出す作業となる。

2021/05/21

Kota Abe

たまたまテレビで見たネアンデルタール人とホモ・サピエンスの物語、ユングのタイプ論に関係していたら面白いなぁと思いました。 ユングの理論は自分にかなりしっかりくるので引き続きユングの本を読もうと思います。

2018/05/15

てぬてぬ

易しいユング心理学。夢の重要性と、無意識が夢に与える影響について論じられている。ユングのいう無意識は恐らく、情動を含む大脳辺縁系の記憶或いは記銘されているが想起できない意識下での記憶のことか。精神分析は思想であって反証可能な科学ではないと再認識した。夢が十分に興味深くかつ重要な研究対象なはずなのに現在の神経科学者たちが忌避するのは、フロイトの「古代の残存物」とかユングの「元型」といったトンデモ説の反動なんだよなあ。重要性を提起したのにそのせいで後世で軽んじられている現状は、可哀想と同時に罪作りだなあと。

2018/06/21

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