人間と象徴 下巻―無意識の世界
人間と象徴 下巻―無意識の世界 / 感想・レビュー
Gotoran
宗教、思想、哲学から芸術、神話を含む人間の精神活動全般(そして人生も)が対象となり得るユング心理学。豊富な写真、絵画、図版で、難解とされるユング心理学を概観することができる。下巻では、ユング自身ではなく、彼の弟子・側近が執筆。夢分析事例では、治療者の分析でクライエントが自分の無意識に気付いていくうちに全体性を円熟させていく過程がよくわかる。夢が伝えようとする無意識の訴えを少しでも汲取って行こうという気にさせる。肯定的意図が潜む無意識の世界を垣間見た。実に興味深かった。
2015/08/18
roughfractus02
著者の象徴概念を考える上で重要なのは「対立するものの結合」なる理想が人類史のどの場面でも見られるという指摘である(『心理学と錬金術』)。ヘンダーソンは、人類学での男女の通過儀礼の目的を男性の中の女性性、女性の中の男性性を呼び覚まして互いを理解する点にあるとする。この象徴解釈は、具体化された個々の現象には個々に区別されない層に支えられていることを示唆する。また、『荘子』にある大工の夢の理解に著者の「個性化」過程を見出すフォン・クランツは、この過程が「無意識の力に意識をもって身をまかせる」ことであると解する。
2021/05/21
呼戯人
自分の魂が男性は内なる女性像を通して表現され、女性は内なる男性像を通して表現されることが説かれる。私は男性なので内なる自分の女性像が魂だということになるが、それは永遠の憧憬をもたらす。この憧憬の心こそ私の内なる魂の働きだと言ってよい。
2015/07/27
さんとのれ
形而下の世界から象徴を通して垣間見える形而上の世界。芸術家の眼には世界がこう見えているのか。
2017/07/06
ねこはこね
読んでたら夢見た。
2013/01/23
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