ヤンキー文化論序説
ヤンキー文化論序説 / 感想・レビュー
showgunn
「序説」と名乗ってるだけあって書き手ごとに方向性もクオリティもバラバラ。速水健朗、斎藤環あたりは流石だなと思った。磯部涼は日本のヒップホップの歴史の始まりを解説した文章としては非常にわかりやすいけどこの本を読んだ人のほとんどは理解できないのではないだろうか。永江朗が一番どうしょうもなくてただダラダラとイメージだけで書いた文章を垂れ流してるだけ。この人はダメだ。 これが出たのが2009年で、それ以降ヤンキー論もだいぶ広がりを見せているようだし一定の役割は果たした本なのでしょうね。
2016/10/03
明智紫苑
再読。古代中国での「侠」の概念は「ヤクザ」よりも「ヤンキー」と意訳した方がふさわしいように思える。そういう点では、宮城谷昌光氏が「ヤンキー君子」孟嘗君の「牙」を抜いてしまったのは実に惜しい。私は前に読んだオタク批評本とこのヤンキー文化批評を読み比べて、世界は「オタク」と「ヤンキー」という両極の間を「ミーハー」が右往左往したり、計算高く立ち回ったりする様子を思い浮かべる。つまり、オタクやヤンキーが開拓した分野の利益をミーハーがチャッカリせしめるのだ。誰か「オタクとヤンキーの世界史」を書いてほしい。
2016/06/20
向う岸
ヤンキー性とは「やんちゃだけど真っ直ぐ」「ワルだけど情に篤い」といった二面性に集約される。こういう気質は江戸時代のかぶき者から日本人に愛され続けている。現実の暴走族は少子化、経済の悪化、取締の強化、逮捕のリスクなどから減少している。社会も身近のヤンキーに対して不寛容になる分、フィクションや芸能人にロマンを求めているのかな。読み終えてふと思ったが、キリスト教福音派ってまさにヤンキー性のかたまりなんじゃないか。僕もどうせならあちら側に生まれたかった。
2013/06/13
hixxxxki
暴走族から走り屋へ。族から系へ。落書きからグラフィティへ。卒業するものから外部の無いものへ。日本人の美意識をほっとくと金閣寺ができて終わりという趣旨の言葉が印象深い。
2014/12/28
明智紫苑
今は亡きナンシー関さんのコラムが収録されているけど、ナンシーさんの高い評価は「名誉男性」的なものだと思う。いわゆる「女」を武器にせずに(純粋にコラムニストとしての実力で)そのような地位を築き上げたのはすごいし、偉い。
2014/06/28
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