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低線量被曝のモラル

低線量被曝のモラル

低線量被曝のモラル

作家
一ノ瀬正樹
伊東 乾
影浦峡
児玉龍彦
島薗進
中川恵一
出版社
河出書房新社
発売日
2012-02-21
ISBN
9784309245782
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ジャンル

低線量被曝のモラル / 感想・レビュー

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かわのふゆき

科学も含め様々な学問は、より一層「哲学」との結びつきをこのところ強めているように思う。答えが出ない問題をどう論じるのか。その議論をどう受け取るのか。そのヒントはある程度ここにも示されていると思う。

2012/07/13

Pideki

2011年に出された本。当時の混沌とした状況が思い出される。福島原発から放出された放射性物質の量が与える影響についての議論。医者と哲学者がそれぞれの立ち位置で論じているので、まるで無理問答。いま話題の学術会議が、この時も国民に対して機能せず、存在意義を問う話などを読むと、在り方を問う今の流れは間違いではないのかなと感じる。あれから10年、結局あの時の放射性物質が与えた影響はどうだったのか、最新の研究結果が知りたい。コロナで混沌とする現在、未曾有の事態を前に、政府も学者も上手く対応できない所は変わらない。

2021/01/10

山一工房

低線量被爆の確率的影響をどう考えたらよいのかについて少しヒントが得られたような気がする。確率的影響は哲学とか倫理とかの世界の話で、確定的影響は科学の世界の話だということ。

2012/03/08

中年親爺

原発はコストの安い、安全な電力。こう教えられてきたが、福島の惨劇によりこれがトリックであったことが明らかになった。電気料金は廃炉のコスト、使用済み核燃料の保管コスト等は無視されて決められており、将来世代が負担することになる。さらに、絶対安全な技術はないという専門家がいる。そして現に原発から漏れ出た低レベルの放射線に多くの人が苦しめられている。死者が出なければ問題ないというような人たちがいるが言語道断。この本では、哲学、宗教、メディア論、放射線医学等の東大の先生たちが、それぞれの意見を戦わす。

2013/06/29

Taichi Ito

児玉龍彦氏から「あの」中川恵一氏までが書いている論文集。科学のレベルでは児玉氏の参加している討論が圧倒している。2000年以降「ヒトゲノム」が解読され、その知見も取り入れて低線量被曝のリスクを説く児玉氏。しかし、やはり「リスク」であって100msv以下についてはわからないことばかりである。一方「あの」中川氏だが、普段はたいしたことでもないのに7msv程度被曝するCTをどんどん受けながら、低線量被曝について大騒ぎすることのおかしさを感じるのも、実はわからないではない。われらは「汚染された大地」で生きていく。

2012/05/21

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