踊ってはいけない国、日本 ---風営法問題と過剰規制される社会
踊ってはいけない国、日本 ---風営法問題と過剰規制される社会 / 感想・レビュー
コジターレ
問題が起きたりグレーゾーンを見つけると、法律やルールを作り規制する。このやり方で事態が改善した試しがない。モグラ叩きのように法律やルールが増えるだけだ。こんな窮屈な世界を作る国は馬鹿だなと思っていたが、意識的であれ無意識的であれ市民が望んだことだという指摘にはハッとさせられた。街からホームレスを一掃することも本書で取り上げられているクラブ摘発の件も、汚い危ないと“感じる”ものを見えないところに押しやって、表面だけ漂白して安心する市民の意思は確かにあるだろう。必要なことは、面倒でも考え、対話をやめないことだ
2024/07/08
shishi
[A]風営法によるクラブの摘発に対抗するにはどうしたらいいのか考えている本だが、2000年前後から強まり出した国家による様々な規制と社会の流れをざっくり理解するのに良い。規制強化によって風俗店などが街から消えて社会が一見きれいになったようにみえても、それは例えばホステルがデリヘルに変化するように不可視化、地下に潜っただけ。そしてデリヘルの場合、顧客の個室で一人きりで業務にあたるため危険が増し、結果として「弱者のさらなる弱者化」が促される、というのが印象に残る。
2014/05/02
takizawa
クラブ摘発問題とLet's dance運動をフォローするために手に取ってみた。宮台×モーリー対談目当て。無許可営業を黙認し,グレーゾーンに寛大だった時代から,昨今の「過剰規制」に至る背景には,異様に潔癖症なクレイジー・クレイマー(ラウド・マイノリティ)の存在があると指摘する。行政は本当はこういうのに真摯に耳を傾ける必要はない。政治とか社会運動といったものからは最も遠い距離にあったクラブ・カルチャーに関わる人たちがこういう本を出し世論に働きかけていること自体が,変化だなぁと思う。
2012/12/11
鉄路のほとり
”ダンス規制反対論”一辺倒の評論集かと思いきや、意外と、(論者によって温度差はあるものの)全体としては割と冷静な議論。多くのクラブが違法状態のまま運営されてきたことは、誰しも認めざるを得ない。そこからは、規制権力の源泉に目を向ける者(社会学的分析)、ともかくロビイングしてレギュレーションを変更しようとする者(政治運動)など様々。どちらかといえば、クラブの経済効果を訴えて規制を変えていこうという論旨のほうに共感を覚える。クラブよりもはるかに受益者の少なそうな?カジノが普通に合法化の俎上にのぼるいま、クラブだ
2014/06/30
味噌漬の味
何も自分で調べたり考えたりせずに原発=絶対悪と決め付けて正義ふりかざして群れてるだけの「なんちゃって脱原発主義者(もちろん本人になんちゃっての自覚はない)」とか、嫌煙=正義と信じて疑わずにやたら喫煙者を排除しようとする人たちに辟易してるなら絶対に読むべき。すごくすっきりしました。
2012/09/27
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