踊ってはいけない国で、踊り続けるために ---風営法問題と社会の変え方
踊ってはいけない国で、踊り続けるために ---風営法問題と社会の変え方 / 感想・レビュー
JunTHR
個人的には、踊ってはいけないどころか、この世からクラブが一掃されても影響は完全にゼロではあるものの、それでも、それでも自由のために、権利のために、もちろんそれは廻り回って自分のためでもあるのだけど、踊りたいやつらには好きなだけ踊り続けて欲しいので、そんな関心から『踊ってはいけない国、日本』に続き、興味深く読んだ。佐々木中などのアジテーションが印象深かった前回に比べ、議論は確か進み、かなり具体的な条件闘争の場合の戦略や、あるいは批判や他の社会運動からの観点なども様々に寄稿されていて、今後にもますます注目。
2013/04/26
keepfine
風営法の改正において「どこまでが躍りなのか」「なぜ規制されるのか」について明確な説明がなされていない。もともと日本の警察は85年の新風営法施行以来、風俗営業に対してグレー型の管理体制を教えてきた。風営法は新しい業種を積極的に取り込むことで合法領域を作りそれと同時にそこからはみ出る違法領域を作り出す。その上で極端にはみ出さない限り違法領域にある店を黙認にすると言う方法を警察は取り続けた。法の建前とは別に現実を踏まえた判断をしてきて、その供給が地下に潜るよりも、黙認することで把握し、管理してきた。
2020/09/12
koto
前回以上に豪華執筆陣だが一番印象に残ったのはtomad(maltine records主催)の文章。インターネットDJで人とつながり、20人が暮らすシェアハウス(渋家)の地下にクラブのような箱を作ったという経験談。そもそも風営法がディスコを追いやりクラブを生んだようにクラブもクラブである必要性はない。他の風俗を参考にするのも大事だが、2010年代的に更新して行かなくてはならない。いつまでも「あの頃は良かった」とBorn Slippyを聴き続けてはいつまでも90年代のクラブを超えられない。
2013/12/04
MG
クラブに風営法が適用され規制されるという現実的な事象から生じた問題群。法律の適用は恣意的であるということ、非常に面白い現代日本の民主主義のスタディ。
2013/09/30
ポルポ・ウィズ・バナナ
前作と全くおんなじ感想なんだけど、本著ではより具体的な方法論を書いてるカンジ。ようするに、荻上チキさんの「社会の成員であることを意識し、その中での変革を求める」ってのが全てだな。それは「しばき隊」への違和感にもつながる。「我々の意に沿わない意見はちょっと受け入れられない」のではなく「いかに世間にコミットしていくか」っていう運動にしていかないと子供の戯言になってしまうもの。つまり、克服すべきは「正義フォビア」じゃない。だって、それなら在特会こそが正義フォビアを克服しているといえるんだもの。
2013/06/16
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