ドゥルーズ 書簡とその他のテクスト
ドゥルーズ 書簡とその他のテクスト / 感想・レビュー
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ドゥルーズはガタリとの出会い以降、おなじ語彙ではものを考えなくなった。深層と表面、潜在的なものの現勢化、こうした語彙に機械とアジャンスマンの語彙がとって変わる。対話と議論を嫌ったドゥルーズは、文通相手の書簡を保存しなかったらしい。よくぞあんな本が書かれたものだなとあらためておもう。笑ってしまうのはガタリと挑発的な司会者を交えての討論録。途中ドゥルーズは電話のために席を立つのだが、戻ってきてなにを話したのかを訊くと、ガタリは「あなたが言ったのとはまったく反対のこと」と。ドゥルーズ「まさにそれでいいんだ」。
2016/12/07
かんちゃん
ドゥルーズの書簡や、初期テクスト、他のテクストの序文等が納められている。書簡内で、ドゥルーズがたびたび、「自分について研究してくれるな」と書いており、代わりに「ある思想家が放った矢を、別のところに放つ」、そしてその矢が自分の元に差し出されることを、その再創造の過程を、論争と、発明と、創造の過程を、思想の中で実践していたことがわかる。「書誌の計画」と「ヒューム講義」はこれまでの著作の補完として、「マテシス」は、ドゥルーズへの「似非科学」としての批判に対する、彼自身の過去からの回答として読んだ。
2016/11/06
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「あらゆる領域において、物質-生-精神という階梯にしたがって単純なものから複雑なものに至るヒエラルキーをもはや私たちは信じないのである。反対に、物質のほうが生よりも複雑であり、生は物質の単純化であるかもしれないのだ。リズムと生の持続は精神的形態によって組織され計量されるのではなく、内部から、それらを横断する分子的プロセスから分節を受けとるかもしれないのである。(...)音楽において肝心なことは絶対的な聴力ではなく、不可能な聴力であり、誰かにそれはふりかかってきて、ちょっとのあいだ恵まれるのである。」
2020/06/13
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